劇場公開日 2014年11月7日

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「肝心要である謎解きの真相を疎かにした作品。」サボタージュ Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0肝心要である謎解きの真相を疎かにした作品。

2014年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

単純

良かった。

特筆すべきは主演のアーノルド・シュワルツェネッガー。
主演復帰作「ラストスタンド」以降、老年感が板に付き、無条件で付加されていた無敵感は無くなっています。
代わりに滲み出ているのが豊富な経験と身体の危うさ。
豊富な経験に裏付けされた雰囲気は大物感を漂わせており。
また併せ持つ身体の危うさが展開の幅を広げており、何かが起きる期待感を煽られました。

設定も良かったです。
横領した麻薬カルテルの金が消えた事から始まる物語。
残虐な方法で消されるDEA特殊部隊の面々。
手口から麻薬カルテルの報復が濃厚であるものの。
横領した金の隠し場所はチームメンバーしか知らない。
しかも指揮官であるジョンを筆頭に全メンバーが怪しい。
利害関係者の多さ故に話の展開が複数考えられ楽しめました。

また残虐映像も刺激的。
麻薬カルテルの報復を匂わせる殺害現場。
相手への威嚇/警告を含んだ殺害方法は残虐で凄惨。
死体現場を隠さず映し出すため肉片と血が満載。
凄惨さを誠実に表現し緊迫感を保った点は好感を持ちました。

惜しむらくは話の展開。
残虐な殺害場面で緊迫感を保ちつつ複数の可能性を残す話運び。
否が応にも真相に期待感を煽られるのですが。
唐突に始まった或る場面から総崩れ。
気が付けば過去のシュワ作品と同様の雰囲気に。
嫌な方向で分かり易い作品に流れ、茫然としている内に一つの決着が付いていました。

肝心要である謎解きの真相を疎かにした本作。
終盤に差し込まれた場面は完全にファンサービス。
一騎当千のシュワ無双は短時間であるものの胸躍りました。
…が、本来、復帰以降はこのシュワ無双から脱却する方向のはず。
主演復帰作「ラストスタンド」程はシュワ以外のキャラが立っておらず非常に残念でした。

とは言えアーノルド・シュワルツェネッガー御大がいる安定感は確か。
一定の面白さは持っている作品だと思います。
オススメです。

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Opportunity Cost