ハーモニーのレビュー・感想・評価
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原作を読んでから改めての視聴
未読で読んだ時よりも大きく評価が下がる結果となった。
原作の持つ精神性に、およそアニメーションのクオリティがついて来ていない。
そういう印象を強く受けた。
脚本
キャラクターデザイン
アニメーション作画
カメラワーク
細かな演出
それら細部に至るまで、どれもクオリティが追いついていないのだ。
残念ながら、原作には遠く及ばない。
ストーリーのオチを知っていながらもあんなにワクワクした原作の魅力が、実に薄っぺらなものに還元されてしまっている。
改めて、伊藤計劃氏の才能を再評価せざるをえない。
あほは生きる力にしみじみ
原作未読。
虐殺器官に続き鑑賞。
好みで言えばこちらの方が良かった。
映像的にはザッツ4℃を感じる。
虐殺の、真面目につきつめるほどナルシスト感がマシマシな雰囲気にちょっとヤバさを感じていたが、こちらを見てますますナイーブさを噛みしめる。
ただし原作を読んで同じ印象を受けるかどうかは虐殺同様謎だろう。
究極に平和でヘルシーな世界とは欲望の葛藤がなく、ゆえに意識も個も存在しない世界だというなら、イメージ出来た像は世界総赤ん坊化だった。
確かにアリだが生理的に受け付けないものがあるはずで、それが物語の葛藤部分であり、力点、テンション、盛り上がりだと感じているが、葛藤するだけのアンチ勢力なりが汲み取り切れずスルリ、と結末へ突入した次第。そういう意味で論点がボンヤリしたようで自身の理解力なのか、物語のツクリへなのか、どちらもなのか? やや物足りなさを感じた。
これまた原作はどうなのだろう。
なぜ百合要素が必要なのか、最後で納得する。
ディストピアはかしこすぎるににあう。
テキトーにあほだと、ディストピアにもならんだろう、とつくづく思えば、あほは生きる力かもしれないとしみじみする。
原作の世界観が全く出せていない
原作はすごく良かったです。
ただ映画は…
映画だけしか見てない人でも途中からラストが
【はい、でしょうね】となる結末は分かると思うんですが、途中から分かっているにも関わらず、原作で感じたヒリヒリと刺さるような感覚も全く無く、ただただ延々と単調に無駄な描写も含めて平坦なストーリーが続いていただけでした。
ハッキリ言ってつまらない。
原作を時間内に表現するのはもちろん難しいとは思いますが、原作リスペクトが全く感じませんでした。
映画制作サイドの
【俺の表現、感性すごいだろ】
みたいな圧が描写の節々に出てしまっている感じがして、苦痛でした。
夜中に見たらたぶん途中で寝てしまうぐらいずっと平坦で盛り上がりもほぼ無い一本道作品。
原作が素晴らしいだけにかなり残念な作品でした。
入り込んでしまう映画でした
テーマが好きなら気にいること間違いなし
伊藤計劃作品の中でも一番好き!
自我が生まれ死ぬまで
捜査官の主人公が事件の解決と落とし前をつける話
虐殺器官を鑑賞後勢い余って見ることに。
劇場とTVの差、作画の差などで大分げんなりしてしまったものの、話自体は面白かった。
アクションより事件捜査と回想に重きを置いた展開なので退屈と感じる人もいるかも知れない。
同じ世界の後日譚だが本作は平和の約束された日常、自我がどんどん削られて争いの無い世界。ちょっと過剰すぎる気がするがこれが世界平和の一つの形なのかも知れない。
世界のシステムを逆手に取った犯人のテロ、同一作者なだけに展開が似ている気がするが、主人公達は女性なのでそれならではの心の動き、感情がいい差別化になっていた。
親友のいかにも拗らせた様な性格も話が進むにつれて理由付けされていくし、最後の展開なども綺麗な決着だった。
ただ、世界観と緊張感があまり感じられず、大多数の人類が終末のを迎えであろう大規模な話な割りに、身内だけでなんだかこじんまりしてしまった感がいなめない。
犯人の動機は捻りがあったのだが自分としては納得があまりできなかった。いや理解が足りていなかったのかも知れないのだが・・・
自分の理想郷に人類を連れていこうとした訳だが、そこには友情も愛もない世界、主人公の事が気に入っていた様だがそんな感情も生まれなくなってしまう世界に行く意味はあるのか?
合理的に考えているのか感情的なのかよくわからなかったが、それでも決着をつける最後は切なく思えたし、綺麗な悲劇だと感じた。
原作を読めば理解が深まるだろうが、映画として一つの作品なのだから単体で納得させられる作りであってほしかった。
劇中セリフより
「理想を求めるか心理を求めるか」
どちらも欲しいが純度が高い物ほど一つしか手に入らない。
理想も心理も突き詰めると人間は人間でいられなくなるのではないだろうか。目指すのは勝手だが目指さないのも勝手なはずだ。自分の判断を押し付けてしまわないようにしたいものです。
もったいない
伊藤計劃の虐殺器官、ハーモニーは
いわゆるゼロ年代SFでは非常に評価されている
本作は小説の映像化という点で高評価
でも作品としてはやや評価を下げざるを得ない
もともとハーモニーは密度が濃い小説
ナウシカのネタやしょうもないギャグ、
フーコー、ヒトラーの雑学まで
「etml」なんてのは、この作品の根幹をなすのだが
大幅に削られている。これは映像化で当然
画面映えする表現を選択して描いているのは好感。
小説で想像していた世界が見事に表現されている。
町並みや建物の造形は主人公の感じる嫌悪感を反映しているのだろう
小説上では色彩の薄い立方体なのだが、この改変は世界観を表現するのに一役買っている。
またPassengerBirdのデザイン、螺旋監視官の制服デザインはずば抜けて優れている。
ただWatchMe、生府<ヴァイガバメント>、財布が使えれば~などの説明などもごっそり抜けている。
作品の大きな魅力が喪失しているので映画をみて面白いと思ったら小説は絶対に読んだほうが良い。
ハレルヤは流石に宗教色濃いので改変したのだろう。そこは脳内補完した
あくまでも映像化は成功している。
が、単体作品としては魅力が少ない。
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