「あほは生きる力にしみじみ」ハーモニー N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
あほは生きる力にしみじみ
原作未読。
虐殺器官に続き鑑賞。
好みで言えばこちらの方が良かった。
映像的にはザッツ4℃を感じる。
虐殺の、真面目につきつめるほどナルシスト感がマシマシな雰囲気にちょっとヤバさを感じていたが、こちらを見てますますナイーブさを噛みしめる。
ただし原作を読んで同じ印象を受けるかどうかは虐殺同様謎だろう。
究極に平和でヘルシーな世界とは欲望の葛藤がなく、ゆえに意識も個も存在しない世界だというなら、イメージ出来た像は世界総赤ん坊化だった。
確かにアリだが生理的に受け付けないものがあるはずで、それが物語の葛藤部分であり、力点、テンション、盛り上がりだと感じているが、葛藤するだけのアンチ勢力なりが汲み取り切れずスルリ、と結末へ突入した次第。そういう意味で論点がボンヤリしたようで自身の理解力なのか、物語のツクリへなのか、どちらもなのか? やや物足りなさを感じた。
これまた原作はどうなのだろう。
なぜ百合要素が必要なのか、最後で納得する。
ディストピアはかしこすぎるににあう。
テキトーにあほだと、ディストピアにもならんだろう、とつくづく思えば、あほは生きる力かもしれないとしみじみする。
コメントする