劇場公開日 2015年11月13日

「カタルシスのない俺の哲学って感じ~」ハーモニー Kusakanさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0カタルシスのない俺の哲学って感じ~

2015年11月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

映画にするならエンターテイメント要素は必要だと思うんだけど
世界観を支えるメカに美術デザインや作画が一級品で
それで満足できる向きにしか薦められない

冒頭のエピソードでwatch meというものを誤魔化してゴニョゴニョできる主人公が手の内を明かさないまま
事件が起こり、捜査を始めるので、てっきりそこら辺が最後のどんでん返しの仕掛になるのかと思って見てたので尚更かな

理想郷を作るために今ある世界を壊す是非に焦点を合わせてずっと展開してたのに
最後の最後は、好きな人が思ってたような人じゃなかったという色恋沙汰が決定打になるっていう

それにしてもシステムに依存していない人とか市街地が出てくるオープンな世界で、理想郷か今の世界かという二者択一というプロットが説得力に欠けていて
その後どんな世界になったのか描かれないので腑に落ちることがない

作中で熱く語られる議論を胡散臭い目で見ない素直な年齢で
死生観とか人の尊厳とか哲学的なものを楽しめるのかなぁと思うし
円城塔の屍者の帝国が面白くて期待してただけに
面白く楽しく見せる仕掛けのない作品でガッカリした

原作読んでれば違ったのかなぁ

Kusakan