「機械を通して問いかけられる「生きる意味」。異色のSFサスペンス。」オートマタ 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
機械を通して問いかけられる「生きる意味」。異色のSFサスペンス。
【賛否両論チェック】
賛:理性を失い衰退していく人類と、そんな人類をよそに、自我を身につけて進化していくオートマタとの対比が印象的。人間としての「生きる意味」を問いかけてくる、異色の作品。
否:お話そのものはかなり難解で、かつ淡々と進むので、観る人によっては退屈してしまうこと必至。
物語が進むにつれて、次第に明らかになってくる“オートマタ”の誕生と進化にまつわる秘密や、そんな彼らとは裏腹に、次第に理性を失い衰退の一途を辿る人類の愚かさ。そんな2つの相反する存在が交錯する、異色のサスペンスに仕上がっています。オートマタを殺そうとした人間達が、
「たかが機械が。」
と言い放った時に、逆にオートマタが
「たかが凶暴な猿が。」
と言い返すシーンが、印象に残りました。
ただ、ストーリーそのものは思いのほか難しく、かつかなり淡々としているので、「人間とオートマタとの戦い」のような単純な物語を期待して観ると、退屈してしまうこと請け合いです。その辺りは、好みがはっきり分かれそうな気がします。
何はともあれ、人類と機械の相反する運命を描いた異色作です。是非チェックしてみて下さい。
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