眠れる美女の限界のレビュー・感想・評価
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これが22歳の監督作品!?
後に『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』としてセルフリメイクされている元の作品であるが、むしろ若さ故の精力的な今作のほうが優れている気がする(とは言え、リメイク作品は観ていない)。主人公の年齢にしても大学生が描くには難しいはずなのに、人生のどん底にいる29歳の売れない女優が見事に表現されていた。
小学生の演劇『ハムレット』でオフィーリアを演じたのが絶頂期だったと自虐的に告白するオリアアキ。自堕落な生活を送り、行きずりの男と寝て、将来を誓う相手もいない。ただ、小学生のときに父親を事故で亡くし、その父から女優の夢を選ばされたという人生。催眠術で眠っている間に過去の男たちに蔑まれて、それでも「生きるべきか死ぬべきかそれが問題だ」という言葉で生きることを選ぶ。なんと言っても主演女優の小林夏子が魅力的すぎるので、ついつい凝視してしまった。
デジタル映像になってからは高いフィルム代を気にすることもなく自由な編集が可能になった今の時代。しかし、アート作品、コメディ、そしてAVなど多くの映像に触れていたことが窺えるほど映画に詳しそうだ。ただ、二宮健監督のその後の作品を観ても似たような部分が多く、脱皮してさらなる成長を期待するしかない。
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