「秀逸の実話ドラマ」海難1890 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
秀逸の実話ドラマ
クリックして本文を読む
トルコが親日国になったわけは、昔、トルコの軍艦が和歌山県の大島近海で座礁した折、島民が決死の救助にあたった話がもとだとは知っていたが、実際に再現ドラマのような映像で観ると圧倒されました。実話ベースだからこそ伝わる真心とエネルギーが満ち溢れています。
映画は海難救助だけで終わらず、時を隔てトルコの恩返しのようなテヘランの日本人救援裏話もつけて、より感動を盛り上げています。感心したのは二つの物語のつなぎ役をしかけたこと、ムスタファを助けた看護師のハル役の忽那汐里がテヘランの日本語教師春海の二役、春海を助けたトルコ大使館員ムラトはムスタファと二役のケナン・エジェというのも絶妙な仕込み、「僕たちは初めて会った気がしない」と思わせぶりなセリフをささやいていましたね。
テヘランの取り残された日本人救出を首相に頼んだのは大使ではなく首相の友人だった伊藤忠商事イスタンブール支店長だったそうで映画と史実の違いは多少あるようです。
それでも、脚本、演出も秀逸、劇中の童謡「故郷の空」の挿入も癒されました。臭くなりそうな実話ベースの感動物語をリアリティを損なわない情熱ある超大作に仕上げてくれました、感謝です。
コメントする