劇場公開日 2015年12月5日

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「良くも悪くも期待値通り」海難1890 May0uさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5良くも悪くも期待値通り

2015年12月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

日本とトルコの友好125周年記念共作映画とあって、今日までの両国の友好関係の裏側を知る上では分かりやすい歴史勉強映画といった印象。

1890年というあの時代に、自分達も生きることが精一杯な小さな村の日本人達がエルトゥールル号のトルコ人を必死に助けたというのは、日本人として誇らしく思える。
そしてそれを受け、トルコ人が1985年のテヘランでの在留邦人救出に一役買ってくれたという事実もまた、両国の真心を感じられ、素直に感動した。

ただ、構成等に関して..
1890年と1985年の内容の比率に少し疑問が残る。
共作とはいっても日本側の方が割合が高いのであろうか?
サブタイトルにもある「なぜあの時、トルコは日本を助けてくれたのか?」から考えると、そのきっかけとなった1890年部分が細かく描かれているだろうとは想像はできたものの、1985年部分があまりにもざっくりしすぎていたように感じた。
トルコ大統領もわざわざコメントムービーを送ってくださっていたりしているのにね..。

全体的に見ると、制作の仕方によって内容までもが
日本>トルコ
という主従関係で出来あがってしまっていたような感じがした。
友好記念映画であるならばそこは
日本=トルコ
で制作してほしかった気もする。
民間同士の友好を描きたかったのだろうが、政治色が強く感じられた。

また、映画の2時間弱には限りがある為仕方ないと思うが、
真心を持った当時の日本人がなぜ第二次世界大戦へ参戦していったのか、連合国側として参戦せざるを得なかったトルコはどうだったのか。
今回描かれなかった100年の間の両国の動きも見たかった。

最後に、
日本とトルコの友好がいつまでも続きますように。

May0u