「溢れる涙が止まらない。受け継がれる、人と人との思いやり。」海難1890 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
溢れる涙が止まらない。受け継がれる、人と人との思いやり。
【賛否両論チェック】
賛:時代や国を超えて、どこまでもお互いを思いやれる人間の温かさや素晴らしさに、涙が止まらない。ラブシーンやグロシーンもほとんどないので、安心して観られる。
否:上映時間がやや長めで、前半の冒頭はいわば〝凪”の部分なので、少し退屈かも。
個人的には、人の温かさや真心に、こんなに泣いた映画は初めてです(笑)。危険を顧みずに救助に当たり、目の前で助けを求めるトルコの人々のために、不眠不休で介抱を続けた大島の村人達の無償の愛に、まず感動させられます。そして台風が去った後も、漁に出ないと自分達の食糧すら足りないにも関わらず、乗組員達のために遺品を探し続け、見つかった物は1つ1つ綺麗に磨き、繕って返してあげる。亡くなった乗組員達にも、出来る限り1人1人の棺を用意し、丁重に弔う。それでいて、決して見返りを求めない。そんな日本人の温かい心持ちに、涙が止まりません。
そして時代は流れても、人の温かさがしっかりと受け継がれていき、今度はトルコの人々が日本人のためにと、自分達の命の救出機を譲ってくれる。極限状態にあるにも関わらず、お互いを思いやれる人間の素晴らしさに、もう最後まで涙が溢れてしまいます(笑)。
お話はやや長めですが、それを感じさせないくらいの感動巨編に仕上がっています。是非大切な人と一緒にご覧になっていただきたい、そんな作品です。
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