「良作!!大感動と腹立たしさ。」海難1890 ななまがりさんの映画レビュー(感想・評価)
良作!!大感動と腹立たしさ。
エルトゥールル号遭難事故で、当時の串本町民の懸命な救助活動には、言葉にならないくらい頭の下がる思い。
亡くなった方々の丁重な、民族や宗派を越えた今で言う合同慰霊祭。
遺留品、形見をあんなに丁寧に洗浄する行為など、もう胸いっぱいになってしまった。
海での遭難救助にかける先祖代々から引き継がれた尊いものもあるのだろう、きっと、ロシア人だろうが、アメリカ人だろうが、何人であろうが、変わりなく助けたに違いない。
この献身ぶりは、本当に誇りに思うし、誇っていいと思う。
日本の教科書にも載せてほしいくらいだ。
そして、時代を超え、イラン・イラク戦争の緊迫したあの場面。
日本人の為に救援機を2機出してくれたトルコ政府。
危険を省みず飛行機を飛ばしてくれたパイロットたち。
全員志願してくれていた。
トルコ大使館員の懸命な呼び掛けに、当初は、反対していたが、席を譲ってくれた歴史を忘れないトルコ人の真心。
全く、目頭が熱くなる胸のしみる思いだ!!
ほんと真心がつなぐ素晴らしいストーリーだった。
だが、あまりにも腹立たしいのは、イラン・イラク戦争時の日本政府の対応ぶり。
本編の日本学校の先生役の忽那汐里のセリフ。
「どうして日本人が日本人を助けないんだ」
が、全てを物語っている。
いくら9条問題等の理由があるとはいえ、数百人超えの民間人の自国民を守ることができない、救出できない、または、超法規的処置等の決断ができなかったとは、全く情けない!!
こんな比較論争したくはないのだが、数百人超えの自国民の命と憲法、いったいどっちが大事だと思ったのだろうか。本編見た限りでは、信じられない対応ぶりだし、他国に委ねる話ではない!!
見終わって、最後に考えさせられた所もあったが、十分、鑑賞価値あり。