「ホントに海難事故の事だけだった」海難1890 AKONさんの映画レビュー(感想・評価)
ホントに海難事故の事だけだった
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日本とトルコの友好関係をエルトゥールル号の事故とテヘランでの救出を結んで紹介する話、そのコミカライズなども過去に読んだ。その感動逸話を元にした映画だという事で、かなりの期待度を持って観た。
ふたつの出来事に関連性があるから感動的な話のはずなんだけど・・・。期待度のハードルを上げすぎたかなぁ・・・。
この作品としてはタイトル通り、ほぼ1890年の海難事故を描いた作品で終わってしまった。
2時間を越える作品で1時間半ぐらいまでがエルトゥールル号の事故の話。ここで終わっても十分に壮大な出来、よかった。
ところが、テヘランでの話に広がりがなく、前半がよかっただけに尻すぼみ感が拭えない。
自分が素直に感じた印象では、トルコの人々は困っている人がいれば、前後の見かえり、しがらみなく助けてくれる国民性なんだという事だけ。
そこはフィクションでもいい。エルトゥールル号の件を引き合いにだし、それが日本人を助ける理由だという描写はほしかった。トルコの側の行動が、長い前半に結びつかない。そういった点では泣き所を奪われてしまった。
トルコではエルトゥールル号の件を学校で教えているだとか、さらにその後の日本企業の支援だとか地震での義援金だとか、友好関係を描ける話は沢山あったのに。
まぁ、全部描いたら3時間越えでも足りなかったかな。
監督さんは、元々エルトゥールル号の事を映画にしたくて動き出したそうなので、テヘランの話はオマケ程度って考えだったのかな。そこが残念だった。
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