小野寺の弟・小野寺の姉のレビュー・感想・評価
全79件中、1~20件目を表示
アウトじゃなくてカブトです
片桐はいり主演作品を、キネカ大森で観られる贅沢よ。
基本的にはクスクス笑えるコメディながら、根底には常に姉弟愛とそのすれ違いがある。
前歯と恋愛に関してはお互い勿体ない年月を過ごしたなぁ、とは思う。
けど、そういう大事な本音をなかなか口にしないところはリアルでもあった。
良い事あったとかはすぐ察せるのにね。
向井理と片桐はいりは、それぞれの雰囲気を最大限に活かしており、ハマり役。
山本美月は演技上手くはないのだけど、ああいう純真な役だと逆に映える。
ミッチー、怪しい役や色気のある役のイメージが強いが、邪気のない芝居も上手いなぁ。
ムロツヨシは佐藤二朗と共に福田雄一のイメージが付きすぎたけど、今作も抜群の匙加減です。
寿美菜子も違和感なく馴染んでました。
それぞれの恋愛をしっかり描きつつ、それが姉弟の絆を補強する構造は見事。
どちらも半端にせず、でも主題はブラさないバランスは意外と難しいものです。
シンプルながらBGMと無音の使い分けも的確。
個人的には、ラストもう少し先まで描いてくれたらより良かった。
より子なら「歯なんてもうどうでもいい」と笑いながら炊飯器を新調しそう。
メガネ屋の前を一瞬だけ片桐仁(片桐つながり?)が横切ったとこで笑ったのは自分だけか。
しっかり笑えて最後までほっこりする作品でした。
ずっと気になってたこの映画。 最後は2人揃って切ないけど、お互いを...
これがそうか。
「やさしさ」って
なんだと思いますか。
相手を思ってしたことが
本当のやさしさには
ならない。
相手にとっての
大事なものを傷つけること
があるかもしれない。
そんな視点で考えた事が
なかったけど
絵本づくりのエピソードや、
作中のキャストのやりとりで
本作のテーマを問われている
ように思います。
ほろ苦い内容もあるけども
あくまで、
プリンのカルメラのようなもので
心地いい時間がもらえました。
弟が見つけた
ありがとうの匂いは
どんな香りなんだろう。
日常の暮らしで感謝を感じる
台所の匂いか、
どん底の気持ちの時の
感謝による涙の匂いか。
おすすめ
小野寺の弟・小野寺の姉
商店街でのハロウィンのシーンで姉に気がないのは理解していた。けど話の流れ的には姉だけでも報われて欲しかった。
報われなくとも、時が流れて、ありがとうの香りが商品化して…姉の歯が綺麗になって…というラストも良かったなと。全て願望でしかないが、あの終わり方だとちょっと消化不良。
それ以外は良かったです。楽しかった。
ほのぼの
片桐はいりさん、素敵です。でも、片桐さんみたいな俳優は日本だと負け犬キャラにされてしまうんですよね。そこが、いつも腑に落ちないです。そして、ミッチーの鈍感力ぶりが酷い。仮に続編があるならば、小野寺より子さんの恋を成就させて下さい。
【西田征史原作・監督・脚本のほんわか、ほのぼの 善人しか出てこない映画。】
[小野寺兄弟]
・小野寺より子 40歳 商店街内の眼鏡店勤務。両親が亡くなった後、弟、進を育て上げた。
・小野寺進 33歳 企業の研究所に務める調香師。姉が作ってくれた栞を大切にしている。大切にしていた恋人(麻生久美子)に”お姉さんと私とどちらが大事なの!”と言われて破局した手痛い失恋経験を引きずっている。
毎日、穏やかに暮らす二人を取り巻く人々も、心優しい。
・商店街内の眼鏡店を営む夫妻。より子を可愛がる。
・コンタクトの天然営業マン浅野(及川光博)
・絵本作家 岡野薫(山本美月) 進が気になる。
<大きな出来事が起こる訳でもないが、気持ちよく観れる邦画。昭和感溢れるテイストも良い>
<2014年10月25日 劇場にて鑑賞>
不自然な落差
幼くして親をなくした姉・弟の絆は深い、優しさが時には裏目にでて人を傷つけるといったテーマらしきものはよくわかるのだが、展開が不自然すぎないか。縁が薄かったとしか言えない失恋話はよくあるが及川さんの設定、芝居では誰が観ても姉に気があるとしか思えない。恩師まで持ち出して背中を押させて勘違いとは、一方山本美月は誰が観ても弟に一目ぼれで懸命にアプローチ、それを必死で逃げておいて失恋とは・・・、落差を稼いでドラマ性を高めたがるのは演出家の定石だが度を超した思わせぶりには腹が立つ。さはさりながら弟が片付いて海外旅行に出た姉が「かもめ食堂」で働いていると勝手につなげて妄想できたのは収穫かもしれません。
ありがとうの姉弟
似ても似つかぬと言うか、何ともアンバランスな姉弟。
姉・片桐はいり、弟・向井理。
しかし、舞台でも同役を演じたからか、不思議と段々しっくり見えてくる。
絶妙なやり取りと言うより、ちょうどいい感じで肩の力が抜けたナチュラルなやり取り。
ほっこり微笑ましく、姉弟を見ているだけでも面白い。
早くに両親を亡くし、二人で暮らしている小野寺より子と進の姉弟。
しっかり者で明るい姉と内気でちょっとヘタレな弟。
姉弟仲はいい。って言うか、仲良し。
仲がいい分、よく喧嘩も。
こういう時、気まずいもんだ。
同じ家に二人で暮らしてるから、気まずくなっても顔は合わせなくちゃならない。
でも、暫くすると、自然と仲直り。「ご免」「悪かった」となかなか口に出せなくとも、何か些細なきっかけで。
自分も数年前に親を早くに亡くして今は弟と二人で暮らしてるので、何か分かるなぁ~と多々あった。
で、そんな小野寺姉弟の生活に出来事が。
まず、進は失恋を引きずっている。
ある日、誤送された郵便物を届けに行き、その届けた先の女性・薫に一目惚れ。(本作の山本美月がメチャメチャ可愛い!)
その後偶然に再会、絵本作りをしている薫の仕事を手伝う事になるのだが…、明らかに薫は進に好意を抱いているのに、その対応のダメっぷり…。ああ、焦れったい!
眼鏡店勤務のより子は、取引相手のセールスマン・浅野の事が気になっている。
が、自分は容姿に自信無いし、浅野は及川ミッチーだし、向かい店の若い女性店員は積極的に浅野にアプローチ。でも浅野は、あの女より自分とよく話をしてくれる。
姉弟揃って訪れた恋のチャンス。
すったもんだあって、奇しくもクリスマスに、姉弟それぞれ“デート”の約束。
結果は…。
これはかなり切ないが、劇的なハッピーエンドより良かったかも。誰の身にも起こり得そうな、身近に感じた。
劇中薫が書いた絵本の話がしんみりと良かった。
困ってる人を見かけたら親切にする犬が居て、ある日寂しそうな老人と出会い、その老人の家を花いっぱいにしてあげるも、老人は先日亡くなった妻の匂いが消えてしまった、と…。
優しさが時に相手を傷付ける事もある。
それはまるで、この姉弟の事を表しているような気がした。
例えば、進の失恋した理由。それは…。
それをより子が知ったら重荷でしかない。
お互い思いやり過ぎて、ちょっと傷付けたりして、でもやっぱり思い合って…。
姉弟二人。
調香師の進が探していた“ありがとうの匂い”。
すぐ傍にあった。
最強の姉弟、ここにあり。
ささやかな、もの。
私にもこんな弟がいたら…
●やさしさがじんわり。
人に勧められて観た。なるほど。思いのほか良い。タイトルが「小野寺の姉弟」でないのがよい。
小野寺の弟と小野寺の姉の物語。予定調和なラストは全然OKだが、もちょっと救いというか含みが欲しかった。そこが惜しい。
それでも豊かな気持ちになれる作品。ジワッと。笑いもあり。こう、なんか合間、合間に食卓風景が入る映画って好きだ。
ゆっくり、しかし着実に日常が流れてるようで。斜がかかった映像もまた好きだ。昭和な感じで。レトロとは違うけど。
あれは調布の商店街だろうか。
冒頭、幼い弟が姉に殺意を抱いたエピソードは、姉が傍若無人だってことだろう。実際、遊園地に姉弟ふたりでって…と思ったりもする。
だが、不器用なふたりがお互いを気遣っていることが話が進むに連れわかってくる。重くはない。
姉の言うことは弟にとって絶対だ。どんなに理不尽でも。でも基本的には仲良しだ。片親の母を鬱陶しいと思いながらも、一人にはできないでいる息子に近い。姉は姉で、弟を失恋の痛手から立ち直らせようと努力したり、とっても弟想いだ。
弟と姉、それぞれの恋愛の行方は。「ありがとうの香り」とは。
キャストがよい。主人公のふたりはもちろん、個性派たちが。山本美月が可愛い。恩師の木場勝己はホントいい味だしてる。
笑いの間もよい。特に笑えたのは
「ワンデイの人っていうのやめなさい!」
「おかしいだろ。カブトって!」
「どこを(に)出しても恥ずかしくない」
エンディングの阿部真央の歌もぴったりハマる。監督・原作・脚本すべて西田征史なのだね。
舞台も彼が演出して、ふたりが演じたみたいで。日常を描く彼の作品の今後が楽しみ。
全79件中、1~20件目を表示