「耳に残るはモンスターの歌声」モンスター・イン・パリ 響け!僕らの歌声 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
耳に残るはモンスターの歌声
20世紀初頭のパリ。自称発明家のラウルと映写技師のエミールは、科学者に荷物を届けに行くが、不在。ラウルが勝手に新薬を作り、誤ってノミが巨大化したモンスターを生み出してしまう…!
リュック・ベッソン製作によるフランス製CGアニメ。
フランスのCGアニメとは珍しい。
何だかハリウッド往年のB級ホラーみたいだが、作品はハートフル・ファンタジー。
街に飛び出したモンスターにパリ中が恐怖。やがてモンスターはラウルの幼なじみの歌姫ルシールの前に現れる。が、実はモンスターは、歌を愛する心優しい性格で…。
とにかくこのモンスターが、だんだんキュートに見えてくる。
ノミなのに見た目も可愛くデフォルメされ(笑)、愛らしく鳴き、そして美し過ぎる歌声! ギターの腕前もプロ並み。
ルシールにフランクールと名付けられ、変装して彼女と舞台に立つ事に。
ルシールの声をヴァネッサ・パラディ、フランクールの声をジョン・レノンの次男ショーン・レノン。共に歌手としても活躍しているだけあって、歌を披露するシーンは見せ場。
後の展開は分かり易い勧善懲悪。
モンスターを退治して名を上げようとする知事からモンスターを守る。
モンスターより私利私欲に満ちた人間の方がよほどモンスター…ありふれてはいるが、普遍的なメッセージ。
当時の雰囲気を再現した映像は美しい。
「オペラ座の怪人」のパロディ設定だったり、エミールがメリエス好きだったり、白黒の映画ニュースから始まるオープニングなど、細かな映画ネタも。
最初はあまり面白くなさそうに感じてしまったが、見ていたらなかなか楽しめた。
日本劇場未公開だが、見て損するような作品ではない。
余談
サブタイトルが下手。
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