「ハタメタで描写不足な夢の対決」バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
ハタメタで描写不足な夢の対決
DCエクステンデッド・ユニバース第2作。
"マン・オブ・スティール" 三部作第2部。
通常スクリーンで鑑賞(字幕)。
原作コミックは未読。
ついに実写映画で実現した夢の対決ですが、これじゃない感がハンパない。観終わり、とても残念な気持ちになりました。
ヒーローの戦いによって地球は救われたとしても、その際の被害や死者についてどう考えるのかと云うテーマは、本作と同時期に公開された「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」でも採り上げられていました。これまで考えても来なかった事柄だったので、深く胸に刺さりました。しかしそれを主張しスーパーマンを敵視するバットマンは、「戦いによって被害が出るのは悪だ」と言っておきながらクリプトナイトを奪取する際はいろんなものを壊していました。自己矛盾も甚だしい。
一方、スーパーマン/クラーク・ケントはデイリー・プラネットで記者として働きながら、恋人のロイス・レインとヨロシクやっていました。バスタブでのラブシーンが情熱的。
こちらはこちらで、バットマンを犯罪者に私刑を下す行為はモラルに反すると云う考えから危険視。スーパーマンらしいですが、白か黒かしか無い短絡的な思考だなと思いました。
時を同じくしてレックス・コープの若きCEO、レックス・ルーサーがねちねちと暗躍。スーパーマンの弱点であるクリプトナイトを手に入れて、ある野望を実行に移しました。
ですが、その計画がいまいちはっきりしません。何がしたかったのか。単なるお遊びにしてはオイタが過ぎる。丸刈りにして刑務所に叩き込むだけでは物足りないくらいに。
運命に導かれるように両者は対決の時を迎えました。お膳立てをしたのはレックス・ルーサーでしたが、ふたりを戦わせて何がしたかったのか、やっぱり分かりませんでした。
バットマンはスーパーマン対策としてアーマードスーツに身を包み、クリプトナイトでつくった槍と煙幕で武装。スーパーマンを後一歩のところまで追い詰めましたが、母親をレックスに人質に取られていること、その母親の名前がマーサだと聞いて怒りを収めました。ブルースの死んだ母親の名前もマーサだったからです。それをきっかけにして、これまでのわだかまりを全て捨て去り、ふたりは共闘することになりました。
…って、なんじゃそれ。都合良過ぎるだろ!
多くの疑問を抱えたまま、大興奮のクライマックスへ。ゾッド将軍の遺体とレックスが自分のDNAを合成してつくり出したドゥームズ・デイがメトロポリスに出現しました。
どうやらこれがレックスの最終目的だったようです?
ちらほら暗躍していたワンダーウーマン/ダイアナ・プリンスも参戦し、バットマン、スーパーマンと共に、ドゥームズ・デイに立ち向かいました。セクシーなコスチュームもさることながら、スーパーマンがやもすれば霞んでしまいそうになるほどのパワフルな戦闘スタイルで、度肝を抜かれました。
ドゥームズ・デイと3大ヒーローの戦いは迫力満点。個性を生かして強敵に立ち向かう様が素晴らしい限りでした。
しかし正直なところ、如何せんバットマンはただの人間なので、あまり役に立っていなかったなと思いました(ある意味では役に立ったとも言えるが)。これは致し方無いかも。
バットマンの褒めれるところは、都市に被害が出ないよう怪物を島に誘い出そうとしたこと。行動と言論に矛盾がありませんでした。クリプトナイト強奪時は別人だったの?(笑)。
大バトルの先には、悲劇的な結末が待ち受けていました。世界中が悲しみに暮れる中、ブルースとダイアナは各地に存在するメタヒューマンたちを集めて、万が一の事態に備えなければならないと考え、それぞれ動き出すところで終劇。「ジャスティス・リーグ」への伏線張りまくりです。
しっくり来なさ過ぎて、なんともかんともな想いを抱きながら、映画館を後にしました。私の理解力が乏しいのだろうかと思っていましたが、「映画秘宝」に掲載された評論を読むと、私の感想と同じような内容が書かれていてホッとしました。
[以降の鑑賞記録]
2018/? ?/? ?:Blu-ray(アルティメット・エディション,字幕)
2019/10/04:金曜ロードSHOW!
2022/06/21:UHD BD(アルティメット・エディション,UG版,字幕)
※修正(2024/06/07)