「ハタメタで描写不足な夢の対決」バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
ハタメタで描写不足な夢の対決
通常スクリーンで鑑賞(字幕)。
原作コミックは未読。
ヒーローたちの活躍で世界が救われたとしても、戦いで生じた直接的な被害についてはどう考えるのか。本作と同時期公開の「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」でも採り上げられていた。今まで思いも寄らなかった事柄だったため、考えさせられた。しかし、それを主張しスーパーマンを敵視するバットマンは「戦いによって被害が出るのは悪だ」と言いながら、クリプトナイト奪取の際は様々なものを壊しまくっていた。自己矛盾も甚だしい。
一方、スーパーマンはデイリー・プラネットで記者として働きながら、恋人のロイス・レインとヨロシクやっていた。バスタブでのラブシーンが情熱的だった。こちらはこちらでバットマンを、犯罪者に私刑を下す行為はモラルに反すると云う考えから危険視している。スーパーマンらしいが、白か黒かしか無い短絡的な思考でもあるな、と⋯
時を同じくしてレックス・コープの若きCEO、レックス・ルーサーがねちねちと暗躍を開始。スーパーマンの弱点であるクリプトナイトを手に入れ、ある野望を実行に移すのだがその計画とやらがいまいちはっきりしない。何がしたかったのか。お遊びにしてはオイタが過ぎる。丸刈りにして刑務所に叩き込むだけでは物足りないくらいである。
運命に導かれるように、バットマンとスーパーマンは対決の時を迎えた。お膳立てをしたのはレックス・ルーサーだったが、ふたりを戦わせて何がしたかったのかやっぱり分からないままであった。
バットマンはスーパーマン対策としてアーマードスーツに身を包み、クリプトナイトでつくった槍と煙幕で武装。スーパーマンを後一歩のところまで追い詰めるが、母親をレックスに人質に取られていること、その母親の名前がマーサと聞いて怒りを収めた。ブルースの死んだ母親の名前もマーサだったからだ。それをきっかけにこれまでのわだかまりを捨て、ふたりは共闘することになったのである⋯ってなんじゃそりゃ。都合が良いにもほどがある。
多くの疑問を抱えたまま、大興奮のクライマックスへなだれ込んでいく。ゾッド将軍の遺体とレックスが自分のDNAを合成してつくり出したドゥームズ・デイがメトロポリスに出現し大暴れ。どうやらこれがレックスの最終目的だったようなのだが、結局のところはよく分からないのである。
暗躍していたワンダーウーマンも参戦し、バットマン、スーパーマンと共にドゥームズ・デイに立ち向かう。コスチュームのセクシーさもさることながら、スーパーマンが霞んでしまいそうになるほどのパワフルな戦闘スタイルに度肝を抜かれた。
ドゥームズ・デイと3大ヒーローの戦いは迫力満点である。それぞれが個性を生かして強敵に立ち向かったり、連携攻撃したりと素晴らしい限りだ。
しかし正直なところ、如何せんバットマンはただの人間だからあまり役に立っていないような印象である。だがこれは致し方無いことかもしれない。
バットマンの褒められるところは、都市に被害が出ないようドゥームズ・デイを島に誘い出そうとした点。この時の行動と言動には矛盾が無かった。
大バトルの先には悲劇的な結末が待っていた。世界中が悲しみに暮れる中、ブルースとダイアナは各地に存在するメタヒューマンたちを集め、万が一の事態に備えなければならないとそれぞれ動き出すところで終劇。今後つくられるであろう「ジャスティス・リーグ」への伏線張りまくりであった。
ついに実写映画で実現した夢の対決だが、コレジャナイ感が大きい。観終わってから、と言うより観ている間ずっと、残念な気持ちだった。
しっくり来なさ過ぎて、なんともかんともな想いを抱きながら、映画館を後にした。私の理解力が乏しいのかもしれないと思っていたが、雑誌の「映画秘宝」に掲載された評論を読むと私の感想と同じような内容が書かれていてホッとした。
[鑑賞記録]
2016/04/02:MOVIXあまがさき(字幕)
2018/ / :Blu-ray(アルティメット版,字幕)
2019/10/04:金曜ロードSHOW!
2022/06/21:UHD Blu-ray(アルティメットUG版,字幕)
2025/10/17:ムービープラス(字幕)
*修正(2025/10/26)

