ぼくを探しにのレビュー・感想・評価
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ハーブティーとマドレーヌ
子供の頃の記憶を呼び覚ます秘密のハーブティーとマドレーヌが出てくるが、本作はまさに奇妙なティストをもった感性をくすぐる映画。散りばめられた音楽シーンや絵本のようなインテリア、阿佐ヶ谷姉妹のような陽気な伯母さんやセラピストもどきの室井 滋似のマダム・プルースト(アンヌ・ル・ニ)、なんと主人公の両親は夫婦プロレスラーと登場人物のキャラクターもユニーク極まりない。
記憶が蘇るラストのくだりはまるでサスペンス、ただ、それまでは淡々と日常描写が繰り返される、私はそんな日常スナップも興味深く愉しめましたが飽きてしまう人もいるでしょうね。
中身はほぼ意味不明と言うかとらえどころがないのだが妙に味のある映画でした。
クラシック音楽のコンクールに於ける黄禍論
タイトルなし
ファンタジックな世界、ストーリーもしっかり
異空間
アニメーション作家のシルヴァン・ショメの実写映画作品。二人の老婆と...
お洒落で心温まる映画
映画にでてくる部屋のインテリアが
お洒落でとても素敵でした!
特にマダムのお部屋が植物で
床が埋まっていたり世界観が素晴らしいと
思いました!
父と母を幼い頃になくし
母が死んだのはずっと父のせいだと
思ってきたのに最後意外なもので
母が死んだことがわかり見てるこちらも
つらくなりました。。。
人は傷ついてもまた幸せになれるってこと
がよくわかる素晴らしい映画でした!
アメリは赤、ぼくを探しには青っていう
勝手なイメージカラーができました笑
監督さんや俳優さんの知識を全くなく見た。 夢と現実の中間くらいの不...
パパとポールの二役
甘い
そして、見つけた。
シルヴァン・ショメ監督の『イリュージョニスト』は自分、本当に感服したというか、かなりのフェイバリットでして、コミカル調なアニメーションでありながらも、ここまで切なさや辛辣さ、悲哀に満ちたエッセンスを詰め込んでくるか!と、劇場で鑑賞した時にゃあ軽く衝撃を受けたもんです。こりゃ稀代の才能だなと。そのショメ監督が今回は実写映画に挑んだというんですから、まあ観ない手はない訳ですよ。
いやぁ、うん。すばらしかったです!この監督にとっちゃフィールドが実写だろうがアニメーションだろうが関係ないんですね。
まず設定がユニークじゃないですか。二歳の頃に両親が不審死を遂げ、それがショックで喋れなくなったまま育ったピアニストのポール君(33歳)。彼がこの映画の主人公でして。この人物設定からしてもう興味惹かれますよね。ポール君を引き取ったのが姉妹の伯母さんで、彼は今も彼女らと三人暮らし、ってのもなかなかパンチ効いてるでしょ。ある日、そのポール君が偶然に出会った中年女性から、謎のハーブティーを飲まされたのを切っ掛けに、閉じていた筈の過去の記憶が少しずつ蘇り、彼の日常が変化していく……的な。
この話のそういった妙味、風変わりな設定を踏まえて観てると、アニメチックな味わい、雰囲気がふんだんに散りばめられてることに気付くんですよ。実写の世界にアニメーションの展開と手法を持ち込んだ!というと少し語弊(少しどころか大分かも)があるかもしれないんですけども。や、別にCG多用してる訳でもないし劇中にアニメを放り込んでるってんでもないんです。んー何て言えばいいんだろう。兎に角、まず言えるのがカラフルだ、てことで。しかしそこに「わざとらしさ」や「あざとさ」を感じないというか、ナチュラルな色彩で、若干の褪せた色合いとでも言えばいいのかしら。その中で一枚絵の様にカッチリはまった構図が出てきたり、アパルトマンの一室に野菜畑があったりの非日常的な風景、赤ん坊視点のPOV状態でシュールなミュージカル劇が繰り広げられたりして。
これね、アニメーションやってた人だから出てくる発想だと思うんですよ。実写的な制約というかリミットを自ら設けてないというか。
物語の展開なんかもね、自由じゃないですか。自由なんですよ。だけど伏線の張り方はしっかりしてるし。あっちこっちでちょいちょいフラグ立てて、ちゃんと回収してる。
何だか不思議で、面白い映画を観たな、という満足感。いや楽しませてもらいました。もっとあれこれ感想言いたいんですが、キリがないのでwここまでにしておきます。
邦題が最悪
こどものころのピュアなこころを思った。
愛情いっぱいで、幸せを感じつつも、なにやら切ない気持ちになりました。
ハーブティーとマドレーヌを食べたあとの口のなかで苦味と甘味が打ち消しあいながら混じってとけてゆくような、いい話だけど切ないし、切ないけどいい話、という具合にどちらとも言いがたい気持ちが残るのです。
主人公は甘いものにめがなく、買ってきたお菓子を他人に食べられると不機嫌になったりする。そんな彼にひょんなことから苦味を強要する(ちょっと語弊があるな。)マダム・プルーストが現れて、、、となってゆくわけです。
ハーブティーとマドレーヌが主人公をやさしく過去へとみちびいてゆきます。この回想を通して、こどものころ怖い怖いと目にかぶせたフィルターがとりのぞかれてゆきます。
黒歴史もこの映画みたいにゆっくりのぞいてゆけば肯定的な一面を発見し、痛々しい記憶を緩和してみれるかもしれません。
主人公の表情がとてもいいのです。笑ったときの顔なんて、あっ、笑った!ってまるで親戚の赤ちゃんが笑ったみたいにうれしくなってしまうのです。いい顔ですね。
あかちゃんはほとんど顔がうつらず声で感情を表現するのに対し、現在の主人公が声を出さず、顔の表情(と筆記)でのみ表現するのと対称的でした。あかちゃんのシーンである回想シーンが概ね主人公の目線からのショットととしているのが映像的におもしろかった。
フランスの文化に精通していたらたくさんのメタファーに気がつくにちがいありません。フランス語を勉強してもう一度見てみたい作品です。
失った記憶と声を探しに。。。過去へ過去へと。紅茶に加えたお砂糖になったかのよう。
やさしさに包まれた106分のタイムトラベルでした。
◎余談
アメリやイリュージョニストの~などと言われて見に行くと、思ったよりアニメーション少ないな、という印象を受けましたが、主人公の親代わりの姉妹の伯母たちや盲目の調律師といった高齢の登場人物たちのキャラクターや音楽から、なるほどショメ監督だなと感じられました。さくらんぼ漬けを食べているところなんかわかりやすいシーンだと思います。
思えば、主人公以外の登場人物のほとんどがおじいさんおばあさん。彼らがまわりでがやがややってるわけです。自由奔放で時に見ているこちら側も戸惑いを覚えることもありますが、やはり愛らしく魅力的で、思わずくすっと笑ってしまいます。
映画のなかに入って探険できたらどんなに楽しいのだろうと夢想するほど、とっても魅力的な世界観なんですね。マダム・プルーストの野菜畑アパートがすてき。どうやってつくったんだろ。まねしたい。
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