「70年代と現代をシンプルにつないで観やすい作品」リスボンに誘われて seriplusさんの映画レビュー(感想・評価)
70年代と現代をシンプルにつないで観やすい作品
邦題が内容と結構はまってる作品でした。
「リスボンに誘われて」。
メラニー・ロラン、ブルーノ・ガンツ目当てでしたが、
作品としても良質でした。
2時間弱でよくまとめてあるなと。
しがない人生しか送れないと思い込んでいる高校教師で中年男性の主人公の人生と1970年代に起こったポルトガル革命を絡めて、過去と現代を行ったりきたりしながらうまく仕上げてあると思いました。最初から最後まで飽きさせず、ストーリーもそんなに難解でもなくて、シンプルでしたし。
しかしポルトガルって1970年代まで独裁政権だったんですね、はじめて知りました。本編でもでてくるPIDEという秘密警察は、ドイツのゲシュタポを模したと言われ、二次大戦前に創設され、名称は変わっても戦後、革命がなされるまで活動していたんですね。しかも東側の国ではない国で。
主人公がリスボンに行くきっかけとなった、革命で命を落とした若者の著書を解読していくシーンは、ちょっと難しくもあったけど、仕事もほったらかしにして、夜行列車に飛び乗りるくらいの内容だったんでしょうね。
本が文庫本サイズのハードカバーで、ちょっといいですね。日本にはない体裁で、手触りとかちょっと楽しんでみたいなと。
お目当てのメラニー・ロランは、確かにヒロインだったけど、過去シーンのみだし、出番多くはないし、多少不満(笑)あと、老後もメイクしてでてほしかったなあ。しょぼくてもいいので、役者がかわったことに違和感ありあり。
リスボンの町並みや坂の石畳、ホテルからの眺望、どれも素敵でした。一度は行ってみたいと思わせますね。70年代のシーン、特に秘密警察からレジスタンス達が逃げる夜のシーン、いわせないかんじでとてもよかったです。ワーゲンのビートルも雰囲気だしてた。
ラストシーンはあんなかんじが女性陣にはウケルんでしょうね(笑)DVDでもう一度ポルトガルの歴史もちょっとかじりつつ、楽しんでみたい作品です。