「,」グリーン・インフェルノ 瀬雨伊府 琴さんの映画レビュー(感想・評価)
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自宅にて鑑賞。ペルーの奥地ヤハ族の村に行く動機や大義を丁寧に描き、全篇の半分近く(約45分間)過ぎる迄、舞台となる村に到着しなかった。ゴア描写はそれ程でもなく、今風のゾンビ映画の様なシーンや描写が有った。監督の奥さんでもある“ジャスティン”のL.イッツォ、瞳が大きく意思の強そうな印象──彼女が何を庇い守ろうとしたのか、そして善と悪が表裏一体で協力し合ってると説明するA.レビの“アレハンドロ”等、良心や正義感が問われる様な内容。エンドクレジットの途中に短いシーケンスが挿入されている。60/100点。
・ロケは実際にペルーの山間部で行われたが、現地の村人がエキストラとして参加している。その際、『食人族('81)』を作品の趣旨として村人に鑑賞させた。村人はこれをコメディとして捉えたらしく大ウケだったと云う。亦、撮影終了後、村人達は二歳の子供を感謝の印として差し出したが、スタッフはこの申し出を断った。
・監督のE.ロス曰く、本作のオーデションは黄熱ワクチンを接種し、毒蛙や蛇、タランチュラに囲まれた浴室の無いアマゾンの奥地でのロケに同意したスタッフキャストを選別したと云う。撮影終了後、スタッフとキャストは寄生虫の検査を受けた。
・現地ペルーのカメラマンが参加した初日は、華氏110度(摂氏43.3度)を記録した。亦、スタッフ・キャストは始終、虫刺されに悩まされ、この内“エイミー”役のK.ブリス・ブラントンは余儀無く数日入院させられた。
・D.サバラ演じる“スーラ”は、当初“ニック”とネーミングされていた。監督のE.ロスは、D.サバラの手タレ(手の吹き替え)としてクレジットされている。
・エンド・クレジットでは主要キャストとスタッフの名前の後にTwitterのアカウント名が表示されている。亦、ペルーの"Callanayacu"族へ、歓迎され映画への参加・協力に感謝が述べられた後、再会した際の食事を愉しみにしていますとクレジットされている。
・エンド・クレジットには、イタリアのカニバリズム系作品の簡単な歴史と製作者等が表記されており、一番最後に『食人族』のR.デオダートに捧げる("Per Ruggero")と献辞がなされている。
・鑑賞日:2016年5月24日(火)