「厳かな気持ちに。」大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
厳かな気持ちに。
解説にもあるように、音楽・ナレーション・照明なし。
撮影も監督たった一人。
そのせいか、修道士たちの日々の生活がありのままに伝わってくる。いっさいの脚色もない極上のドキュメンタリに仕上がっていた。
それはまるで、禅寺のようだった。
自分と見つめあう座禅のような、祈り。
経典を読み上げる読経(キリスト教ではなんというのだろう?)は、身を委ねたくなるような心地よさ。
宗教とは本来、わが身と向き合うものなのだと思わせる。
「神は限りなく善である」という。
神に悪意はない、世の中の出来事はすべて意味がある、という解釈か。
盲目の修道士の穏やかな態度をみると、自分の運命を肯定的に受け入れている敬虔さを感じずにはいられなかった。
コメントする