パワー・ゲームのレビュー・感想・評価
全4件を表示
創業者同士の仲間割れ
スマホのライバル会社、CEOはかっての創業仲間、その確執に巻き込まれた若手社員の理不尽な状況を描きます、一応、サスペンスなので詳しくは書きませんが、あまりにも都合よく話が進むしサスペンスというより大企業に抑圧されている若者世代の溜飲を下げて受けを狙う魂胆かと邪推してしまいます。
創業者同士が仲間割れというのは現実にもよくある話、主人公アダム(リアム・ヘムズワース)は才能と言うより境遇がゴダード(ハリソン・フォード)の同情を買うだろうとして選ばれたようですね、映画の中でも実際の才能は友人のケヴィン(ルーカス・ティル)の方が優れているようです、アダムとケヴィンも会社が大きくなったらゴダードとワイアット(ゲイリー・オールドマン)の二の舞かと思わせますね。
それにしても丸刈りにして妙な風貌、iphoneを創った晩年のジョブスを真似たのかな、ハリソン・フォードさんも老けたものです、これまでの役どころを巧みに利用しただけでイメージダウンでしょう、出て欲しくななかった・・。
どんな選択でも。
H・フォードがハゲ?というインパクトで観に行った作品。
向こうで失敗作だったらしいが、私的にはけっこう楽しめた。
何たって芸達者が揃い踏み。ハリソン君にゲイリー君!
兄クリスより若干イケメン度は下がるも(失礼)、悪くないお顔の
リアム、そしてもしこの人が日本人なら絶対不二子役にと思う
アンバー嬢。果てはR・ドレイファスというオマケまでついてくる。
ものすごい豪華共演なんだけど、内容は確かに地味かなぁ…。
ライバル社同士の因縁の争いという古典的(でもIT)なプロットに、
恐ろしい殺人事件(でもあまり触れていない)まで起こる。
弱みを握られた若手社員がスパイとしてライバル社へ送り込まれ、
だんだんトップの信頼を得ていくのだが、実はその裏には…。と、
実に分かり易い展開。多様な作戦や裏工作を駆使して敵の信頼を
勝ち取っていく新人の振舞いは爽快だし、美人との恋愛も絡んで
楽しいのだが、人生そんなに上手くいくわけがない。
冒頭から、今の日本と同じような状況が語られる。
昔は良かった。今じゃ給料など上がらない。社員とは名ばかり。
主人公がつらつらと挙げる今の社会不安が、そのまま観ている
世代に語りかけてくるのである。父親は一生警備員で終わった、
それで病気になった母親の高額な医療費が賄えなかった、俺は
そうはなりたくない、絶対這い上がってやる。うん、いい台詞。
ハングリーで野心家の青年は、しかし家族思いの青年でもある。
家族や友人、恋人を大切にする若者の側面もきちんと描かれ、
こんな形で出世はしたくないと思う気持ちが伝わる。だからこそ
ぼんくらジジイども(ゴメンね)の争いが滑稽でならないのだ。
もっと頭を使った話(使ってはいますが)かと思って観ていくと、
頑固ジジイの意地の張り合いと面子のぶつかり合いには呆然。
企業同士の争いって確かにこうなのかもな、と思う。
渦中に巻き込まれた青年が最後にとった選択とその後の指標。
いい人生をおくる為に選ぶ価値基準は、人それぞれだ。
どうしてドレイファスを出してきたのか、最後にじわっと分かる。
(どんな人生を選ぶにしろ、元気で幸せでいてくれたらと思うよ)
決して綺麗ごとではない、男の戦い
ハリソン・フォードが神と呼ばれ、成功と富だけを求めている男。
ゲイリー・オールドマンが独学でのし上がった天才児と呼ばれる男。
リアム・ヘムズワースが勝ち組になりたいと究極のラ洗濯をせまられる男。
しかし、神も天才児も最後には若者にしてやられます。
若者が価値雲になりたいと思うのは不思議ではないし、いいことだと思うのだが、代償があまりにも大きすぎた。
そしてゴダールとワイアットの確執の深さが、ココまでとは正直びっくりです。
神と天才の勝負、神の策略は見事だけど、若者の存在がなかったら、もしかして天才児か勝っていたかもしれない。
それとも今回のようにどたらにも損害が大きく痛み分けになったかもしれないけど。
アクションはないけど男の戦いが堪能できる映画だと思います。
全4件を表示