「17年46本目。妹を吸収した自給自足のカルト教団をインタビューしに...」サクラメント 死の楽園 Aさんの映画レビュー(感想・評価)
17年46本目。妹を吸収した自給自足のカルト教団をインタビューしに...
17年46本目。妹を吸収した自給自足のカルト教団をインタビューしに行ったクルーたちが見たものを映すモキュメンタリ系POV作品。実際に起こった人民寺院での集団自殺が元ネタになっているらしいが、実際は作中の165人を遥かに超える900人超の教徒が自殺を図ったらしく絶句。元ネタを知らなくても観られる作品ではあるが知った上で観たほうがまた感じ方も違うかも。
制作陣のわりに臨場感の無い作風だと言われまくっているが、ドキュメンタリーを制作しようと撮っただけの映像ってことなので地味で正解なんじゃないかと思う。敢えてゆったりした展開が舞台〈エデン教区〉の恐ろしいほど内輪で静かな生活をしている空気を演出しているようで良かった。サクサク進むと逆にフィクションみが増すのではないかな。
最初は人里離れた文明無視の長閑な教区で、みんな家族として仲良く慎ましく生活していたのが、部外者(主人公撮影クルーたち)が入り込み(最初は歓迎ムードだったのに)和が崩壊、死をもって調和を目指そうとする際、
死を選べば本当に〈エデン〉天国へゆけると本気で考え、死を躊躇いがちなほかの教徒を半ば無理矢理にでも殺そうとする者、
今までお父様(指導者)を信じていたもののいざ毒薬を渡されると死にたくない信じられないと戸惑い死を恐れ教区から走って逃げ出そうとする者、
に別れ争いが始まる。カルトなんて所詮そんなものだと思った。潔く全員〈エデン〉へゆくもんじゃないんかい。ばかばかしい、最初から胡散臭いとどうして信じられなかった?まぁ、最初は本気で信じていたのかも知れないが、生活していく上で“洗脳”がおかしいとほころびを見付け脱出したいと願う者は言わないだけで少なからず居たんやなというのも胸糞悪いわな。逃げようとすると虐待や射殺されるんだもの。
カルトが悪くていわゆる多数派の宗教万歳と言いたいわけでも、宗教全部クソッタレと言いたいわけでもないが、他人に引きずられてばかりの他人任せな人生は歩みたくないものだ