「歴史スペクタクルディザスターロマンスアクション大作」ポンペイ 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
歴史スペクタクルディザスターロマンスアクション大作
『バイオハザード』シリーズのポール・W・S・
アンダーソン監督の最新作。
紀元79年、火山噴火によって一夜で滅んだと言われる
古代都市ポンペイを舞台に繰り広げられる……
……歴史スペクタクルディザスターロマンスアクション大作?
うーむ、ジャンル分けしようとすると
なんかゴチャゴチャする(笑)。
* * *
これはアンダーソン監督の兼ねてからの強みだと思う
のだが、この映画、物語の流れがとにかく快テンポで
ストレスがない。
幼い主人公がローマ帝国へ復讐心を抱き、
奴隷として売られ、めっぽう強いグラディエーター
になり、心優しいヒロインと出逢い、ポンペイへと
舞台を移すまでをものの20分でサクサク描写。
そこから先も見せ場はギュウギュウだ。
105分という、映画としてはフツウの上映時間に、
『グラディエーター』なスペクタクルアクション、
『タイタニック』な悲恋ものの雰囲気、そして
『アルマゲドン』『ボルケーノ』なディザスター描写等、
色んな大作映画のおいしい所をそつなくミックス。
絶対的不利な状況でスタートする闘技場での戦いや
ライバル剣闘士との友情には燃えるし、
ヴェスヴィオ火山噴火シーンのVFXもスゴい。
風光明媚な古代都市がこれでもかというくらいに
ズガンドカン破壊される様は製作費が心配になるほど
だし、そんな中で展開されるクライマックスの
チェイスシーンもド迫力だ。
古代ローマ時代でカーチェイスをやると……
なるほどああなるのね(笑)。
* * *
特にスゴいのは、他のみなさんも書かれているが、
ヴェスヴィオ火山の噴火による災害シーン。
内からは火山岩、外からは津波が襲い掛かる描写が
心底恐ろしい。特に津波の描写は未だに日本人には
キツイと思えるかも。
噴火による災害シーンは史実や火山研究のデータに
割と忠実らしい。まあ実際に一番の被害を出したのは
火山からの超高温の熱風だったらしいが、監督いわく、
「燃える岩が降ってきた方が3D映画向きでしょ?」
……まあエンタメ映画としては正しいか(苦笑)。
とはいえポンペイの街の再現度は
歴史研究家からもお墨付きをもらったそうな。
確かに、短いシーンでもしっかり作り込まれた
石造りの街並みや衣装は観ていて楽しかった。
* * *
とまあ、大作映画のエッセンスがこれでもか!と
詰まった映画ではあるのだけれど、
・見せ場見せ場を詰め込みすぎている
・人間ドラマは定石通りの展開でかなりの薄味
という点が仇(あだ)となり、『スペクタクル超大作』
と呼べるだけの重厚さは不足していると感じる。
特に後者は残念だ。ヒロインの父母に関するシーンや
ライバル剣闘士のシーンは泣けるのだけど、
肝心の主人公たちのドラマが心に迫ってこない。
あとはエンディングも、いわゆるハリウッド
エンディングではないし綺麗な終わり方なのだけど、
あまりにロマンティックというかベタというか……
B級映画と呼ぶのは適当ではないと思うが……
言うなれば “B+級映画” か “A-級映画” という印象。
個人的な意見だが、アンダーソン監督作品って
テンポが非常に良い分、鑑賞後の印象も、
良くも悪くもライトなんですよね。
* * *
という訳で、総評としては観て損ナシの3.5判定で。
ライトでド派手なエンタメ映画が観たいと言う方には
オススメかしら。
『300 帝国の進撃』みたいなどぎついバイオレンス描写
もほぼ無いので幅広い方々にオススメできます。
それにしてもジャック・バウアーことキーファー・
サザーランド。ド悪党のくせになかなか死なない(笑)。
一般市民を斬りまくるわ馬で暴走するわの大暴れ。
「スポーツではない、これは政治だ」は個人的に名台詞。
〈2014.06.10鑑賞〉
ネタバレ、含みます。
お気を付けください。
きびなごさん
お久しぶりです。
私も映画は鑑賞しているのですが、
なかなかレビューを書けないでいます。
≪も~いっか~。。。≫なんて思う時もありますが。
ポンペイ、なかなか面白かったですね。
監督と相性が良いのか、すっきりして後々引きずらない
作品が私に合います。
主人公もなかなかイケメンだったし。
キーファー・サザーランド。
ぷぷぷ~。
悪い奴ほど、しぶといのですよね~。
きびなごさんもお忙しそうですが
お体にお気をつけてくださいね。
剣心とゴジラのレビュー、待っていま~す。