「【戦場写真家の命を顧みない尊崇な姿に頭を垂れる作品。と共にその家族との複雑な関係性の構築と再生を描く作品である。】」おやすみなさいを言いたくて NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【戦場写真家の命を顧みない尊崇な姿に頭を垂れる作品。と共にその家族との複雑な関係性の構築と再生を描く作品である。】
■長女ステフと次女リサを夫のマーカスに託し、紛争地帯や危険地域の現実にカメラを向けている報道写真家のレベッカ(ジュリエット・ビノシュ)
遠く離れていても家族の絆は固いと思っていたが、レベッカがドバイでの自爆テロに同行し、巻き込まれたことから、夫や娘たちの本心が明らかになっていく。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・冒頭のドバイでの女性の埋葬シーンからこの作品はキツイぞ、と思いつつ鑑賞続行。
ー 埋葬された女性が目を開き、身体に爆弾を纏うシーン。-
・そして、彼女に同行するレベッカ。
ー ”爆発!”と言いながら、自らも大怪我をするショッキングなシーン。
■戦場写真家を映画化した作品と言えばメリー・コルヴィンの生き様を描いた「プライベート・ウォー」が記憶に新しいが、彼女は「バハールの涙」でもモデルとして描かれている。
◆日本で言えば、亡き鴨志田氏を思い出すが、奧さんであった西原さんが描いた「毎日かあさん」で描かれる、戦争のフラッシュバックによりアルコール依存症になって行く過程とその最後は今でも思い出す。
けれども私は、戦場写真家の存在を否定する積りは全くない。
今作でも、レベッカが言うように、愚かしきゴシップ情報が世に流れる中、世界の見捨てられた地域で行われている恐ろしき真実を伝えようとする姿には尊崇の念を抱く。
<今作はそんな環境下の中、自らの信念を貫いた女性写真家の姿を通じ、強烈な反戦思想を伝えた映画である。>
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