「訣別地獄。」ファーナス 訣別の朝 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
訣別地獄。
タイトルの通り、溶鉱炉内で我慢させられる内容の作品。
このペンシルベニアの町のさびれ方も尋常じゃない。
どこをとっても男臭く、閉塞・重圧・忍耐に満ち溢れた映画。
それで主人公がC・ベイルだもの~。もうたまんないわ^^;
監督たっての希望通り今作の主役を見事にこなしているけど、
この人にはもう普通の役はこないだろうことをお察しします。
さて。冒頭から嫌な雰囲気だらけの鬱屈感。
W・ハレルソンが狂気の暴れん坊であることを暗示してから
ずっとその様子が変わることはない。この人、本当に殺人を
犯しそうな顔でニヤけるから怖いことこの上ない(さすがだ)
私的にはタラハシー(ゾンビランド)の印象が拭えないから、
暴れそうになったらトゥインキーやっとけ!なんて思うけど。
兄貴同様(失礼)ムニャムニャ喋りが堂に入るK・アフレック、
いいのかそんな役で?と思わせるほど脇役のF・ウィテカー、
そりゃ~俺にはこの役だろうよ!と得意満面なW・デフォー、
宇宙人も保育士もやってみせちゃうんだからZ・サルダナ、
ハイハイ、あとは僕が纏めてあげるから役のS・シェパード。
内容が陰気だろうと地味だろうと配役は超豪華、
役者の見事な勢揃いに泣かされますが、何故この作品に?
これまで真面目にギリギリの幸せを生きてきた兄が、自身が
起こした人身事故によって全てを失ってしまう。恋人も弟も
もう何もかも取り戻せなくなった彼が、精神の均衡を保とうと
努力する様子に泣かされるが、しかし一瞬の不注意によって
これだけ不幸に陥っちゃうことも暗示している(交通事故防止)
運命は残酷だ…と思うけど、観客にも重くて救いようがない。
加えて、描き方がこの上なくしつこい^^;
最後の最後まで、ネチネチクドクドと男の追跡劇が続くのは
精神にも宜しくない。早く座席と訣別したい!って思わせる
ところが、主人公が抜け出せない地獄とリンクするのかしら。
疲れている時は、さらに増すのでやめておきましょう。
(今回はアフレックとハレルソンに軍配。視線が怖かったもん)