「愛の迷宮。」真夜中の五分前 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
愛の迷宮。
タイトルからしてミステリアス。
最後まで鑑賞しても、結局どっちだ?感は残ったままで、
何ともいえない気分で劇場をあとにするような作品。
こういう風情タップリの趣が好きな人にはハマると思うが、
行定勲の過去に拘る男を描くねちっこさが、短気な私には
ややいらつく場面も多い。というか始まった時点からすでに
ミステリー感覚で双子姉妹が描かれていくので、分からない
ことはないが、けっこう混同する(ワザとそうさせている)
一卵性なのでソックリなのはもちろん、性格や嗜好、動向まで
いつも入れ替わって楽しんでいるようにふるまう妹のルーメイ。
姉のルオランに恋をした青年リョウ(三浦)は、実は妹の婚約者
であるティエルンとは先に恋をしていて、妹に奪われたという
話に戸惑うが、彼女を支え続ける。ところがある日旅行先で
事故が起こり、姉が死亡、妹が生還。という不幸が襲う。
ティエルンは妹といる確信が持てず、リョウに相談をするが、
リョウはあくまで妹だと信じる。さて真相は…
うーん…。怖いよなぁ、嫉妬も絡んでいるし^^;
気味悪いくらい相似形の姉妹なので(やや変えているが)
髪型まで一緒にされたらおそらく分からない。
観ているこちらとしては、もちろん同じ女優が演じているので、
顔がそっくりなのは仕方ないとして、どこで見破るか。がミソ
になる推理劇なんだろうなぁと思っていたのだが…
主人公リョウを演じる三浦春馬は、ほぼ全編中国語で演技。
彼が何故そこで時計職人をしているのか、過去に亡くなった
彼女の話など、ぽつぽつと分かってくるが、特に多くは
語られない。どちらにせよ、過去のトラウマに囚われた男が
またもや愛の迷宮入りをしてしまった。という感覚ではある。
果たしてルーメイは、本人なのか、それともルオランなのか。
物語の鍵はラストに仕掛けられている。
(私は毎時ピッタリが好きなんで進めも遅らせもしないなぁ~)