劇場公開日 2015年4月25日

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「アニメ→映画」寄生獣 完結編 antennaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5アニメ→映画

2015年5月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

アニメを見ていたので展開はなんとなく知っていたわりに楽しめた。

寄生獣の作品自体はメッセージ性が強く、映画を見ながら何度も「人間」という種について考えさせられた。特に田宮良子の言葉ひとつひとつに重みがあった。映画版ではごみ捨て場で発生した猛毒の代わりに放射能が使われており、賛否両論ではあるだろうけど現代の社会問題を警鐘している点で面白いなと思った。

良かった点◎
・深津絵里さんの演技が素晴らしい(最早主役)
・広川のシーン(北村一輝)アニメより迫力アリ
・第1作目で気になっていたミギーと新一の接合部がよりナチュラルになった。
・娘を無くし、恋人に裏切られ狂った探偵の描写が人間らしさを表現しており、作品にいい影響を与えたと思う。
・新一が寄生生物を殺していく描写。警察隊が寄生生物を殺し、人間をも殺してしまう描写。「この種を喰い殺せ」という指令を受けた寄生生物が自分の種の存続のために、人間との共存する努力をする描写。そして、それらをあくまで中立的な立場から見ているミギーをが上手く表現されていた。

これらの表現から駆除することは正しいのか、種が違うからといって無条件に殺してしまっていいのか、家畜等の他の動物はどうなのかと、考えさせられた。

悪かった点△
・新一と村野(橋本愛)のラブシーンの印象が強く、寄生獣作品の深さを持ってかれる。見終わった後にラブシーンの印象が強すぎて、他に何を見たかあまり思い出せなくなる。
・田宮良子(深津絵里)が警察に撃たれるシーンで警察の発砲が理不尽に見える。「動いたら撃つぞ!」といっていきなり脳天撃ち抜くのはなぁ、、
・最後に屋上から村野を助けるシーンで右手を写さずに回想に入るのが不自然で、ミギーが助けるだろうと予想がついてしまったのが残念であった。

総じて、見て損はないのではないのかな。

antenna
uncle50さんのコメント
2015年5月10日

>悪かった点△
・新一と村野(橋本愛)のラブシーンの印象が強く、寄生獣作品の深さを持ってかれる。見 終わった後にラブシーンの印象が強すぎて、他に何を見たかあまり思い出せなくなる。

 そうですね、同感ですよ。
 橋本愛さんの演技がとても良かったので、他のシーンの印象を薄めてしまったの
 かと思います。
 疲れ切った新一を自らの体で慰める愛さんは、環境破壊や急激な科学技術の発展、
 格差の増大、テロなんかに病んだ現代の人類を救う聖母マリアのようにも思えま
 した。

 この映画は人間社会の先を見通した優れもんだ!と 感じましたね。

uncle50