劇場公開日 2015年8月5日

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「生き物への畏敬の念」ジュラシック・ワールド ホラー好きさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0生き物への畏敬の念

2022年7月30日
iPhoneアプリから投稿

公開当時に映画館で観たときは、自己中心的なキャリアウーマンのクレア、我儘で身勝手な子供たちに、すごく怒っていたような気がする。

改めて観ると、彼らはどこにでもいるごく普通の人間で、ただ他を思いやる余裕がないだけ。

おそらく自分は、恐竜ーひいては生き物への尊厳を忘れ、
ビジネスや成果主義の果てに、倫理も何もなく遺伝子を操作し、生き物を生み出す人間たち全てに怒っていたんだと思う。

現代に蘇った恐竜の脅威的な映像。
そして圧倒的な力に捩じ伏せられる恐怖。スリラー映画として一流なだけでなく、
生き物への尊厳を
視聴者に、改めて問う作品。

私たちはもはや人のクローンも作れるし、遺伝子を改良して神様が作られたもの以外も生み出すことができる。

でもそうやって作られた命への畏敬の念。
その先にある未来を、考えようとはしない。
人類へ警鐘を鳴らす映画にも思える。

老いてなお、スピルバーグ監督は素晴らしい(今回は製作総指揮)
この映画の完結編を、私たちは今夏ついに映画館で観ることができる。

ホラー好き