「恐竜の数より、ツッコミ所が多い!」ジュラシック・ワールド showさんの映画レビュー(感想・評価)
恐竜の数より、ツッコミ所が多い!
「ジュラシック・パーク」が公開されて22年。
「ジュラシック・ワールド」としてテーマパークがオープンしてから起こる惨劇を描いたシリーズ4作目を3D字幕で鑑賞。
まず、最低限のパニック映画としてのハラハラドキドキは保証できます。
先の読めない展開や、全身ビクッとなるくらいの驚かしシーンも多々あり、
本作に求める肝試し的な鑑賞目的は充分に解消されると思います。
それを求めて観に来てるんですから、それだけでも鑑賞する価値はあると思いますし、満足すべきなのかもしれません。
……が、ストーリーや人物描写に雑音が多すぎて、「?」になることもしばしば。
そのせいで映画に身を委ねてビクつくこともできず、ついついツッコミをいれたり、忖度しながら見る羽目になります。
まず、登場人物が無駄に多すぎます。
本作のプロットなら、もっとシンプルに、もっとコンパクトにできたはず。
そして、その登場人物の描きこみ不足のせいで心の揺れ動きが唐突すぎるよう感じます。
例えば、前のシーンで恐竜に大熱狂してた小僧が、次のシーンでは「きっと両親は離婚する」って泣きだしたり、
彼女と離れるのを寂しがって、パークに行っても彼女の写メを見てた兄ちゃんが、突如知らない女の子を視姦したり、
通常の思考回路とは思えない言動を繰り返します。
その度に、「何かの伏線なのかな」と思って大目に見るんですが、結局なんの伏線でもない!
その他にも「え?なんだったのあれ?!」ってシーンやセリフがわんさかあって、何にもないなら入れるなよ!って思ってしまいます。
また、主人公の元海兵隊の飼育員さんは、肉食恐竜と心を通わせてしつけができる設定で、中盤以降に恐竜に指示を出して大活躍する、本来なら非常にテンションのアガるエピソードがあったり、それが終盤まで引っ張られるんですが、
だったら、序盤で一度襲われそうになるエピソードはいらないですよね?
あのエピソードがあるせいで、いつの間に心を通わせるようになったのか、信頼関係になったのかよくわからなくなります。
あそこは、バイトくんを黒人が助け行ったら襲われそうになって、そこにスターロードが勇敢に助けに行く!って感じでいいんじゃない??て思ったり。
あと、大量のトリケラトプスはその後どこに行ったの?園内はいつの間に安全になったの?とか、
あんな高性能なアトラクションの管理を、バイトっぽい男の子ひとりにやらせる訳ないだろ!とか、
黒人はあんな危ないジャングルから、よく徒歩で無傷で帰ってこれたな!とか、
イカのDNA入ってたから補色動物になったって、そんな簡単な理屈でいいの?とか、
挙げだしたらキリがない!!
とまあ、一事が万事こんな感じで、いろんな描写が非常にとんちんかん。
ただまあ、夏休みシーズンならではのお祭り映画なので、
映画館で観ないって選択肢はないと思います。