「全てのラプトル関係者に捧ぐ!」ジュラシック・ワールド 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
全てのラプトル関係者に捧ぐ!
「ジュラシックワールド」見ました。続編ですね。続編って、待ちに待った続編と、特に待ってない続編があるじゃないですか。今作の場合は後者で、過去3作の下り坂を見てしまってるので、どうしても興味がそそられなかった。それでも、アメリカでは公開初週だかの記録でアベンジャーズを抜いただと?これはアベンジャーズ信者としては見るしかないですよ。結論から言いますと、良かったです。映画史に残るとかそんなんじゃなくて、シリーズファン(ファン以外を含)を満足させるには十分すぎる出来映えでした。そして、恐怖やドキドキは過去最高でした。
まずここに触れたい。ラプトルです。ラプトルと言えばシリーズ最大の宿敵ですけど、これを何と手懐けるとは。ここは一番感心しました。ラプトルが人間に懐くかは現実的には分からないけど、このアイディアには参りました。ファンとしたら嬉しい事間違いなしですしね。ハイブリッド新種に説得されて寝返った時は「え〜」って言ってしまいましたよ。しかも4匹ともクリスプラットを見てる!恨んでたのか?それとも先輩寂しいよ〜なのか?どっちなんだ...。
ストーリーや作りも興味深い。社長が頻りに言ってましたけど、来場者には「人間の無力さを考えさせたい」的な事(違っていたらすいません)と。テーマをそこに絞った事は好印象だし、実際それに忠実に沿っていた。過去作特に2と3なんかはテーマが散らかっていた印象だっただけにより思った。人間は傲慢で無力。その通り。人間が失敗から学んでいないのももちろん。作りとしては、やはり見ているものをパークへ誘う冒頭。要は、劇場に来た人だって映画というテーマパーク或いは冒険に繰り出すわけですよ。それを、主人公の少年と同じ目線で疑似体験させてくれる。見てる人はジュラシックワールドに来てるワケだし、冒頭でくどくど説明とかされたんじゃ興冷めですよ。2作目はそうでしたよね。しのごの言わずに出掛けるぞ、という気概を感じた。
これ僕が見逃しただけですかね?パークがオープンしてどのくらいの期間が経ったのか、これが分からなかったのが残念かな。それが分からないと、そこで起きてるパニックがいかに衝撃なのかがイマイチですしね。だってオープン1週間ならしょうがないってなるかもだけど、これが1年とかなら話は全く別ですよ。惜しかった!
首を傾げたくなる設定もありました。それは、ハイブリッド新種以外に肉食獣が出てこないところ。過去作で手強かったティラノサウルスとラプトル、スピノサウルスもほぼ出てこない。これはガッカリでした。
この映画の言いたい事は分かりますよ。要は、新顔がデカイ顔する前に挨拶しろって事。だからラプトルを怒らせ、ティラノサウルスを怒らせ、最後にモササウルスさんにパクリとイかれるんですよ。一言だけでいいから挨拶しとけば古株を怒らせる事もなかったんです。どんまい、ハイブリッド新種!
総括として、繰り返しになりますがファンには堪らない仕上がりです。過去作を見ているならば、必ず見て欲しいです。ラプトルを飼いたくなる事必至でしょう!イルファン・カーン演じる社長は、目立ちたがりのバカです。