劇場公開日 2014年2月1日

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「Over30の女性はドラマチック。」はじまりは5つ星ホテルから myaa1969さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5Over30の女性はドラマチック。

2014年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

Over30の女性はドラマチック。

独身キャリアウーマン、専業主婦、シングルマザー。各々が 『こんなはずじゃなかった・・・』 『こんなもんかなぁ・・・』 『まぁ願ってた通りなのかな・・・』 さまざまな理想と現実との距離感に自分なりの折り合いをつけながらけして楽ではない毎日と格闘しながら朝が来て、また夜が更ける。

この映画の主人公イレーネは40歳を超え、一般女性が年間1~2回泊まれたらいいような5つ星ホテルを連夜泊まり歩き、セレブさながらの厳しい目線で評価する未婚で独身の覆面調査員。自宅に帰れば1人でジャンクフードを頬張る現実が襲う。冴えない音楽家と平凡な結婚、郊外で2人の子育てに奔走する専業主婦の選択肢を選んだ妹に『老後はどうするの!?』との詰問にも『愛する姪たちに養ってもらうわよ!』と強がるも姪とのお試し生活も生活感のギャップに馴染めず。
が、長年ソウルフレンドである元彼は家庭を築きつつある、同じ価値観を共有しあえると思ったキャリアウーマンとの出会いと結末・・・。

イタリアの至宝モニカ・ベルッチを世界基準に押し上げた監督・脚本・原案マリア・ソーレ・トニャッツイが同じく42歳のキャリアウーマンの視点から語った素敵な名言を引用します。
 『自由は恐ろしいものになり得るし、孤独でもあると誤解されがちなのは確かですが、現実には自由そのものが存在するわけではありません。常に妥協を余儀なくされるのです。唯一の真の自由の行使とは、何を諦めるべきかを選択できることです。映画の終わりでイレーネは、自分が諦めているものが何なのかを十分自覚し、自分の人生を楽しく続けていく決心をすることでしょう。』
もう一つの映画の見所は世界の5ツ星ホテルが贅沢に登場。中でも最後にエンドロールとともに流れる上海The PuLi Hotel and Spaはイレーネが新たな人生を確信させる信念を感じさせる『行き着く人生の幸福』を表現する。
DVDでもう一度観たい清々しい映画。

myaa1969