幻の薔薇のレビュー・感想・評価
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破滅していく結婚生活
破滅してゆく美しい人妻を演じるレア・セドゥ
妻が戦後の混乱や新しい時代のエネルギーに翻弄される中“幸せ”と思われる物に次々と手を伸ばしていくがその“幸せ”こそが幻の薔薇で、
夫が求めた“美しい理想的な妻”も幻の薔薇。そんなあるはずのない幻の「幸せ」を求めた故に破滅していくカップルを説明的な要素を排除して淡々と描いているのでとっても静かな映画だけど、50年代のインテリアやファッションを美しく再現してて目が幸せ。
この要素の少ない映画をレア・セドゥ の存在感だけでもたせてしまうのがレアセドゥ の素晴らしさ。とっても美しいし、ヘアスタイルやメイクもじっくり見れて楽しい。
エンディングで現代に収束していくってゆうのも面白い。
きっと日本でもあった戦後の時代の社会的な共通認識で存在していた“理想の幸せ”
に迎合できなかったからマージョリーヌは次々と物を欲しがって結婚生活を自滅的に破滅させていったけど
その“理想の幸せ”の幻想すら壊れた現代はどうなっていくのかってゆう終わり方でけっこう好き。
レア・セドゥ 見たさにレンタル
「物質」が象徴する幸せ
『美しいひと』『美しき棘』で不機嫌な十代を演じてきたレア・セドゥが今作で演じるのは新婚の若き人妻マージョリーヌ
舞台は1950年代のフランス。
若く美しいカップルの船出は、戦後のフランスの新しい時代と重なる、
日本の高度成長期がそうだったように、戦後のフランスも人々が明るい将来を夢見ることが許された時代だったのだと思う。
新しい商品が発売される電化製品、便利なアパート、美しいインテリア。
それは、マージョリーヌの描く“幸せ”の象徴でもある。
一方、レジスタンスの英雄だった夫ダニエルは祖父が残した田舎の家に住み、代々栽培している薔薇の新種を作りたいという男。
二人の思い描く“幸せな結婚生活”は大きくすれ違ってしまった。
レア・セドゥは前二作にくらべると大分様々な表情を見せてくれるが、この人は無表情、あるいはアンニュイな表情の方が断然画になる。
今回も脱ぎっぷりは素晴らしいし(美しい足の裏まで見せてくれる)、50年代ファッション、ウェディングドレス姿も見せてくれる。
レア・セドゥ鑑賞映画に認定!
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