劇場公開日 2014年6月21日

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「小宇宙(コスモ)を感じない!」聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0小宇宙(コスモ)を感じない!

2018年5月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

興奮

80年代に少年ジャンプで連載され、TVアニメも大人気。
世界中にも多くのファンを持つ、日本を代表する漫画/アニメの一つ。

またまたリア友からは非国民と言われそうだが、実は一度も見た事が無い。
勿論作品は知っているし、映像もチラッチラッと見た記憶はある。何故か子供の頃、グッズで枕を持っていた。
話も漠然と知ってるような、知らないような。(ギリシャ神話の女神アテナの化身であるヒロインと、彼女を守る聖闘士と呼ばれる戦士たちの闘い)
ドンピシャ世代ではなく、このすぐ後の世代。『ドラゴンボール』をジャンプやアニメで見始めたのも90年代になってからだし。
さてさて、そんな『聖闘士星矢』初体験の自分は小宇宙(コスモ)を感じ取れたかと言うと…

原作の中でも人気の高いエピソードを映像化。
一応沙織と星矢たちの出会いから始まり、初心者でも入れる。
フル3DCGの映像は高クオリティー、アクションの迫力もスピーディーさもなかなか。
80年代のアニメと比べると、キャラは超ビジュアル化。
美少女ヒロインを守るイケメン戦士たちは、今の時代こそ受けそう。
魅力的なキャラ、スケール、話の面白味…こういう作品こそハリウッドで実写化すべき。『マイティ・ソー』か『タイタンの戦い』みたいなスペクタクル・ファンタジー・アクションにだってなれそう。(実際、企画はあるようだが…)

でも!
『聖闘士星矢』という作品自体はそうであっても、本作は…。
漫画もアニメも数年続き、それをたかだか90分で描くなんて無理に決まってる。
ダイジェスト的と言うより、ほんの一エピソードをかい摘まんだだけ。
その為、本来はもっと面白味や魅力があるであろう話もキャラも淡白。
アテナの化身である沙織はいいとしても、星矢たち聖闘士の背景は全く描かれない。
それが使命であっても、何故命を懸けてまで沙織を守り、闘うのか。
だから、沙織と星矢たちの絆や信頼も全く伝わって来ない。
ちょっとチャラい星矢以外、他の聖闘士のキャラ描写も名前も覚えられない。
サンクチュアリに赴き、敵たちが立ち塞がるのだが、ここら辺なんて本来は興奮モノなのだろうに展開早すぎ。
よって、ラスボスもさほど凄味を感じず。
用語とかの説明も皆無で、よく分からない点も度々。
…などなど、挙げ出したらキリがない。
人気ある作品をボロクソ酷評する事になるので、この辺で止めておこう。
最後にこれだけ。

新たなファンを獲得するべく作られたのだろうが…
『聖闘士星矢』を現代のアニメ技術で作ってみたいという製作側のご都合が見え見え。
ファンでさえ不満が残りそうな、でもただのファンの為のご褒美ムービー。
本作だけでは小宇宙(コスモ)を感じられなかった。

冒頭に出てきた老冒険家の声、大杉漣だったのか…。

近大