「元は前田敦子のMVだと分かって見る分には、まあこれはこれで楽しめるかと」Seventh Code スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
元は前田敦子のMVだと分かって見る分には、まあこれはこれで楽しめるかと
元々は前田敦子のMVだと知ってて見る分には、なかなか出来のいいMVだな、前田敦子の魅力を余すことなく撮っているなと、ある意味感心しながら見れる作品だったと思いました。
まあ知らないで見たら終盤なんでいきなり歌いだすんだよと戸惑うこと間違いなしでしょうけど・・・。
それと全編ロシアのウラジオストクにて撮影されたと言うことで、雰囲気的にも悪くない作品だったと思いましたよ。
監督した黒沢清らしさも随所に散りばめられていて、MVとしてはホント良く出来たMVだったなと、映画祭に出品したのも妙に納得の内容でした。
ただ60分と言う中途半端な時間が、映画としては何か物足りないような、逆にMVとしては長過ぎなような、そんな印象は受けてしまいましたが・・・。
しかし冒頭、前田敦子が演じた秋子が、とんでもない理由で男を追いかけウラジオストクまでやって来たのには驚きました。
何だこの女、強烈なストーカー女だなと、彼女に対して寒々しい思いを抱かれた方もきっと少なくないでしょう。
この作品は一体どこに向かっているのか、全く先が読めないと言う意味では、ある種秀逸な設定だったとも言えましょうか。
でもこう言っては何ですが、こんな役どころが似合ってしまうのも前田敦子だったりするんですよね、逆にアンチ前田敦子の方でも十分楽しめるキャラ設定にしたのは、もしかして狙い?ってこともないか・・・。
食べ方がガツガツしているのも妙に似合う、もはや特技と言っても過言ではないかも。
終盤の残り15分ぐらいまでは、ホントこの作品どこに向かうの?な内容で、着地点が全然見えてこなかったですが、終盤の怒涛の展開は、やっぱり前田敦子のPVだなと思わされること間違いなしな展開で、まさしく前田敦子劇場と化しましたね。
そう言えばおかしいなと思う伏線は多々ありましたが、まさかそんな役割を担っていたとは。
それとこんなアクションも出来るんだと、そこはちょっと感心、イメージにあまり無かったので・・・MVとしてはホント秀逸、でもやっぱり映画としては、いろいろと物足りないところがあったかなぁ。
さすがに都合良く作られ過ぎてて、映画として見るとちょっとね・・・ってまあ元はMVだからそこは仕方ないところでしょうか。
しかし山本浩司が演じた飲食店のオーナーは、何だかいろいろと気の毒と言うか、哀れと言うか、結構どうでもいい扱いになってしまったのが、妙に気になってしまいました。
中国人女性と言い、前田敦子と言い、ホント女性が強い映画でしたねぇ。
鈴木亮平が演じた秋子に付きまとわれる男も、いや鈴木亮平ならもっと・・・って感じで・・・。
まあ前田敦子は少なくとも嫌いではない、と言うか女優としては割と好きな存在なので、これはこれで楽しませてもらいましたけどね。