劇場公開日 2014年4月5日

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「「想いを抱き続ける、死ぬまで」が恋愛の終わりを告げる」アデル、ブルーは熱い色 talismanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「想いを抱き続ける、死ぬまで」が恋愛の終わりを告げる

2022年3月31日
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鑑賞方法:VOD

知的

アデルとエマは住んでる社会が違う。テレビを見ながらパスタを食べるアデルの家庭にとって、生きるというのは地に足のついた生き方をすることで、仕事は食べていくための手段。一方で、美意識高くリベラルなエマの家族にとっては好きなことをする創造性や才能が人生にとって大切で、哲学的で抽象的な話ができるいわゆるインテリ。

生きている世界が異なる二人の一目惚れで始まった恋の物語。織り込まれているのは、恋愛心理、性、子どもから思春期を経て大人になっていく過程、女性の一生、理想と妥協、政治活動と人間の自由。これらはアデルの高校の文学の授業で扱われている小説、高校生によるデモ、エマとの会話の中で、映画の冒頭と前半で提示されている。『マリアンヌの生涯』『クレーヴの奥方』『危険な関係』『アンティゴネ』そして『汚れた手』。フランスの高校の文学専攻の授業のやり方が新鮮だった。時代も性別も超えた「普遍」がフランス社会だ、が強く伝わった。

長い映画だったが必要な長さだった。映像も美しく冒頭から最後まで常にブルーが映っていた。一貫してノーメイクでショートカットのレア・セドゥ、007のボンドガールよりよかった。

talisman
琥珀糖さんのコメント
2023年10月11日

コメントありがとうございます。

レア・セドゥの癖・・・歩きながら後ろ&横を見る眼差し。
あまり気が付きませんでした。
「007スペクター」を見なおしてみます。
本当に雰囲気のある女優ですね。
最近すごく気になるようになりました。

アデルのお母さんのボロネーゼのパスタを頬張る庶民的な家庭。
知的なエマの友達関係の会話に付いていけないアデル。
好きな人が違う世界の人なら寂しいですね。
でも作者の分身アデル(違うかも?)は文学的できっと作家になったん
でしょうね。

琥珀糖
きりんさんのコメント
2022年5月29日

ジャン・ポール・ベルモンドの「勝手にしやがれ」、今夜観てきました。
talismanさんベルモンド好きでしたよね⁉️

きりん