「黒人バックコーラスのルーツ」バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち mina_0525さんの映画レビュー(感想・評価)
黒人バックコーラスのルーツ
最初の黒人だけのバックコーラスグループの誕生から語られるルーツのドキュメンタリー。
まず、歌を聴くにあたってあまり意識した事の無いバックコーラスを、この映画を見て意識するようになった。
あと、いつの間にやらついた先入観でバックコーラスの人たちはどこかメインボーカルよりも「歌唱力が劣る」からそこにいるのだろうという考えが180°覆された。
収穫だったのは、かねてから思っていた黒人の群を抜いたリズム感と歌唱力は一体どこで培われるのだろうかという疑問のひとつの答えがあった。
この映画に登場する歌姫たちはほとんどが親が神父だったりで、教会で幼い頃から聖歌隊に入り音楽に触れていたのだ。
もちろん持って産まれた天性のものもあるとは思うが、
環境も大事な個人を形成するひとつなのだなと感心した。
そして意外だったのは、過去低迷したバックコーラス界を救ったのがイギリスのロック界だったということ。これは驚いた。
映画にも登場するミック・ジャガーやスティング、デヴィッド・ボウイなどが彼女らを高く評価し自分たちの音楽に積極的に取り入れ、自由な環境を提供したのも大きな事件だったのだという。
現在更にバックコーラスが聴こえなくなっているなか、どのように職を探し、生き抜いているのかという話もまさに「バックコーラスはつらいよ」で、音楽界のシビアさもうかがえた。
でも彼彼女たちには歌という素晴らしい宝物があり、その語る顔は皆明るい。
場所がどこであろうと精一杯楽しみ、持って産まれた宝物に感謝する。
そうすれば心はいつでも解放される、と教わった気がする。
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