ザ・イーストのレビュー・感想・評価
全28件中、1~20件目を表示
金のあるイケメン
映画なので、ドラマを設けるとなると、潜入者はオンナで、テロリストはイケメン。潜入捜査もので、男女が絡む、といえば、コスタ・ガブラスの「背信の日々」が思い出される。
やっかむテロリストにエレン・ペイジ。
エレン・ペイジはこういうインテリ・情弱がよく似合う。日本でいうと、学生運動で、リーダーに惚れてる役。
本作、そういう点では特に我々日本人には、設定としてはそれほど新味ではない。利益第一優先の製品安全性無視の企業に対し、制裁を加える、という行為も、なじみはある。
本作、とても「日本的」な設定。
このテロ・グループ、真剣なのはごく少数で、またそれらは、ほぼ私怨で動いており、実行犯も少数。のこりは、居場所のない輩なのだろう。
テロ・グループといっても、そこには、そこの社会が存在する。だから、イケメンはモテる。実際、テロを行うには、膨大な資金も必要。このイケメンは金もある。
こうしないと、映画にならないのはよくわかるが、そうすると、あまりに既視感にとらわれすぎるし、本作のご都合的なところが目立ってくる。
結果、「甘い」味しか感じない。
己の主義や正義と完全にマッチングする難しさよ こうやって少しずつ違...
己の主義や正義と完全にマッチングする難しさよ
こうやって少しずつ違った正義が誕生して乱立していくんやな
派手さも盛り上がりも別にないが、
拝金主義の卑しく浅ましいエゴイズムや
正義を盾に己を正当化し過激になっていく活動家など
リアリティーが感じられて作り手が何を伝えたいのか分かりやすい
どちらにも迎合せず己の道を見出したラストは希望が持てるエンディングで爽やかなオチだった
私に力をお与えください 〜 いかなる敵の前でも
民間のセキュリティ会社ヒラー・ブルード社で働く元FBI捜査官ジェーン( 別名サラ )をブリット・マーリングが演じる。
ヒラー・ブルード社の上司シャロン( パトリシア・クラークソン )が、( 環境破壊を重ねる大企業に対し報復活動を行う)環境テロリスト集団「 ザ・イースト 」に、身分を偽って潜入し情報収集を行うようジェーンに命じる。
「 ザ・イースト 」のカリスマ的存在のリーダーを、アレクサンダー・スカルスガルドが演じる。
翻弄されながらも強い意志を持って困難に立ち向かうジェーンを演じたブリット・マーリングが、気高く美しい。
テレ東を録画にて鑑賞 (吹替版)
スコット兄弟のビッグネームがあったから観たんだけど
冒頭引き込まれたが段々内情がみえてくるとうーん。私怨じゃん。30分程割愛されてるのでフルで観たいなあとは思う。カルト集団に傾倒していく様が物足りないのはその為かと。FBIの潜入も気付いてたっていう解釈でいいのだろうか
決して派手ではないですが、なかなか面白い作品でした。 シーシェパー...
決して派手ではないですが、なかなか面白い作品でした。
シーシェパードのような自己本位な環境テロリストには嫌悪感しかありませんが、この作品に登場する“The East”という組織(やり方こそ犯罪ですが)主義主張は間違っていないだけに、サラが共感してしまうのもわからないでもないですよね。
勿論、仕事であり自分の立場を弁えていない事についてはどうかとも思いますが、やっぱりこれが潜入捜査の難しさなんでしょうし、自分の勤務する会社の拝金主義や企業のやり口の汚なさ、更には企業の利益を守るために政府機関まで動いている現実を目の当たりにしてしまうと仕方なく思えてしまいますね。
そしてベンジーと袂を分かち、自分と同じ潜入捜査官を仲間に引き入れ、企業の悪事を公表していくという暴力に頼らないやり方も良かったと思います。
企業の利益を守るために政府が動いたり、このような民間の情報組織が存在していたりと、驚かされると同時にいろいろ考えさせられた作品でもありました。
重要なのはストーリーじゃない
ザル・バトマングリ監督、ブリット・マーリング主演の映画。
どちらも聞いたことが無い名前だけど、何と主演のブリット・マーリングは脚本にも参加している。そして20代かと思ったら31歳とのこと・・まさに才女。演技も素晴らしかったし、この映画でしっかり名前も覚えた。役者としてだけでなく、作り手としてもこれからが楽しみな女性です。
さて、この映画は、アメリカの民間情報(諜報)機関に転職した主人公サラが、環境テロ団体「イースト」へ潜入捜査に入るところからストーリーが始まる。
面白いのがこの民間情報機関。なんと実在のモデルがある。
「ストラトフォー(STRATFOR:Strategic Forecastingの略)」と呼ばれる組織。
アメリカのCIAは政府の諜報機関として有名だが、国営だけでなく民間の諜報機関まであるのが驚きだ。戦争の民営化は現実に進んでいて、国を後ろ盾とした軍だけでなく、民間会社の傭兵が様々な戦地へ赴き商売を行っていることを、知ってる人は知ってる。しかし、まさか諜報機関まで民営化されていたとは。。
政府の諜報機関は当然国のために情報を集めるわけだが、民間の諜報機関は企業のために情報を集める。ある特定企業に害を及ぼそうとしている個人/組織がいれば、被害を受けそうな企業がクライアントとなり、その被害を事前に防ぐことが諜報機関の目的となる。
この映画の中で、主人公サラは様々な葛藤に苦しむ。
公害を出しても公表せずに何事も無かったのように利益をあげる企業、手段は間違っていたとしても目的は正しい環境テロ組織、そして、諜報機関の潜入員としての自分の責務。
葛藤に苦しんだ結果サラが下した結論は正しいと思う。
環境テロはどんなに目的が正しくても起こすべきではないと私は思うので。
しかし、この背景を理解した上で映画を観ると、サラの心の変遷を描く縦軸のストーリーが重要なのではなく、そもそも「民間の諜報期間」など成立するのか?という構造的な問題を考えてほしい、という制作者の意図が感じ取れる。
(こういった社会的な問題を真正面から描けるところが、アメリカ映画の底の厚さを感じさせるな。。)
政府の諜報機関なら理解できる。色々と各国の諜報機関に問題はあるとは思うが、あくまでその組織は「国」のために存在する。その行動は国民のため(であるべき)だし、「正義」という建前も立てやすい。しかし、民間の組織だと、会社である以上は「利益」を上げることを目的とせざるをえない。
映画の中でも、サラの上司は、被害を受ける人達よりも会社の利益を優先すべき、という言葉を発する。
倫理的に正しいかではなく儲かるかどうか。民間の会社であれば当然と言える理屈。企業が腐る一番の理由でもある。
しかし、それでいいのだろうか?
サラの悩みの根本はそこにあるように思える。
(サラの前職が政府機関のFBIという設定もその伏線だろう。)
諜報活動というのは要するに「スパイ活動」だ。しかも、「予防」という性質上、どうしても「先制的」にならざるをえない。何か問題を起こすという「可能性」があるだけで相手を攻撃できる。そんな重要な役割を、「利益」を目的とした民間企業が担えるのだろうか?
この映画のラストでサラが出した答えは、その解答のような気がする。
だからこそ、私は共感する。
ある意味テロを肯定したストーリーの様に思うが 実際には大企業が=悪...
ある意味テロを肯定したストーリーの様に思うが
実際には大企業が=悪とは限らないのでは無いかなと。
それでも正義を誰かが行わねばと言う熱い思いを持っている人達がいる事は救いなのかもしれないなと。
社会悪か、企業悪か
環境破壊をもたらす企業を標的にするテロ集団“ザ・イースト”へ潜入捜査した元FBI捜査官のジェーン。
やがて彼らの理念に共感していく…と聞くと肯定しているようにも思えるが、
例えば、現実社会のニュースでこういう集団の存在を知ったら社会悪と決め付けてしまう。
彼らの理念は分かる。
が、その行動は決して許されない。
犠牲を受けた企業には同情する。
が、その行いには憤りを感じる。
これは正義か、テロか、偽善か、社会悪か。
単純に割り切れない善悪の疑問を、葛藤しながら行動するヒロインの姿にダブらせていた。
タイトルだけ聞くとB級ホラーっぽいが、
社会派テーマとスリリングな潜入サスペンス、若者たちのドラマ、エンタメとしても見応えあり。
なかなかいい作品
環境問題に鋭く切り込む意義を含んでいる作品。主演女優かわいい。潜入先の環境団体のいろんな変わった原始的な慣習が発達した現代人に意義を唱えている。スッキリしないオチだが個人的には評価したい。
個人的に物語がドハマりした。 環境保護や動物愛護やコーポラティズム...
個人的に物語がドハマりした。
環境保護や動物愛護やコーポラティズムに関心があり、ザイーストとかなり近い考え方をしてるので、とても楽しめた。
ザイーストのメンバー同士で議論するシーン。襲撃するべきなのか、はたまたやめるのか、などの議論は、よく自分の頭の中でも起こっている。
幸い襲撃をした事はないが、したい衝動に駆られることはある。
こういう議論は昔からあって、キング牧師とマルコムXの思想の違いもそこにあった。そう考えると、三宅洋平の思想なんかは、とても良い切り口だよなと改めて思う。つまり、誰も傷付かない革命。環境破壊する企業のプロダクトをいくら安くても買わない事。そしてそれを他の人にも伝えていくこと。だって企業は消費者がいないと成り立たないんだから。僕らに決定権がある、ということ。
まぁ、この考え方でいくと、世界が正しい面にひっくりかえるまでに時間はかかるし、保証もないし…いくら伝えても聴く耳を持たない人、意識が低い人、この映画を観て組織のリーダーが金持ちでイケメンである事に嫉妬してるコンプレックスの塊みたいな人とかが沢山いるかぎり、もう人間に期待するのはしんどかったりするんだけどね…
撃たれて死んだ後に、2人が森の中でセックスするシーンがあるが、
死の後にセックスするのは映画ではよくあることで、生と死を見せてるわけ。
キューブリックのアイズワイドシャットなんかもそういうシーンがあった。
よくわかってらっしゃると感心する。
これ、構成がよくて、最初は観客の目からすると、テロリスト=敵、という構図になってるんだけど、主人公がだんだんテロリスト達の正しさに気付き始めると、必然的に企業側の不条理や無責任な行動が見えてきて、気付くとザイースト側にいる。
で、果たして本当にテロリストなのは誰なんだろう、と行き着く。
これ、第9地区なんかと一緒で、始めは差別する側にいるんだけど、気付くと差別される側にいて、その痛みを知る、という。
この辺もよくわかってらっしゃる。
主人公を演じたブリットマーリングは、今作で、製作、脚本、主演、と一人三役。今後が楽しみな人だ。
ちなみにリドリースコットとトニースコットも製作に入っている。
スコットフリー
リドリー&トニースコット製作。エレンペイジ他。環境テロリストもの。環境テロリストという団体も新鮮だけれど、テロリスクを回避するために大企業から委託を受ける民間のスパイ機関の存在の方がフレッシュ。本当にそんなものあるのかは知らないけれど、民間の傭兵派遣会社は沢山あるアメリカだから、きっと普通にあるんだろう。
一筋縄…どころじゃない。
…なんと言って良いのやら、分からない。
そのくらいに衝撃を受けた一本。
「アナザープラネット」の人の仕事、と言ってピンと来たらなら必見!今回も裏切りません。
全員が嘘つき、故にどう転がるか最後まで分からないストーリーに注目。
登場人物個々の、玉ねぎの皮を剥くような「実は」の畳み掛けと。
その人物同士の織り成す、奇跡の煮込み料理のような「相関図」。
至福の一本でした。
やはり映画は女優でキマる
FBI捜査官ジェーン(偽名:サラ)のブリット・マーリングがいい。
環境や健康に被害を与えながら、その事実をひた隠す大企業が標的とはいえ、その報復は企業のトップたる人間に対して行われる。「イースト」の過激な報復手段に反発を見せながらも、徐々に彼らの理念に心が傾いていく自分に戸惑いを見せるジェーンの葛藤が丁寧に演じられる。
もうひとり、自分たちの行為を正当なものと、一切の妥協を取り払ったブレない女性メンバー、イジーにエレン・ペイジがよく似合う。ペイジが放つ意志の強さが脇目をふらないイジーに乗り移ったようだ。
ジェーンの上司、体制派につくシャロンもまた妥協なしで「イースト」の面々を追い詰める。冷徹で頭脳派のシャロンには大好きな女優のひとりパトリシア・クラークソン。
この作品、三角構図の頂点にそれぞれの女優が立ち、登場人物としてだけでなく演技に於いても互いに一歩も譲らない面白さがある。
『目には目を、歯には歯を』という報復の繰り返しにどうピリオドを打つのか、ジェーンの正義感を大袈裟にはじけさせず、心地よく締めくくる。
一方で、サスペンスものとしては、主人公を窮地に追い詰める工夫がやや物足りない。
なかなか。
面白いじゃないですか。
登場するキャラクターが皆魅力的。特にエレン・ペイジの存在感は流石ですね。
主人公(この女優さん、誰?)に訪れる変化にも説得力があります。
ただ、主人公がずっと浮いてる気がしてバレないか気になりました…
全28件中、1~20件目を表示