「何を描きたくて作ったのだろう」子宮に沈める ke_yoさんの映画レビュー(感想・評価)
何を描きたくて作ったのだろう
大阪二児放置餓死事件を基にした作品ということで期待と覚悟をして鑑賞したが描かれるべき点が欠けている気が…
旦那さんは出て行っただけでなく“離婚”であったこと、養育費や育児のサポート等を全て受けない誓約書を書いていたことなどは、母親を追い込むのに重要なトリガーであったと思うので、映画にも必要だったのではと思う。
また、子役の心身の健康のために仕方ないとは思うが餓死するはずの設定なのに見た目が健康そのもの、服や髪もいつまでもキレイなままでリアリティがない。
最後の方に出てくる母親の“次の妊娠”というのは必要だったか?
さらに不満なのはこの手の多くの作品に言えることだが、父親がいずにできる子どもはいない。
男のいい加減さ、薄情さ、残酷さを、描いて欲しい。
冒頭どこからどう見ても良いお母さんだった1人の女性がここまで堕ちるには、彼女自身の問題だけなわけはない。そうやって叩くのは簡単だが、そんなことをしても誰も救われない。
せっかくこのような作品を生み出すのなら、周りがどうあったら良かったのかを各々が考えるキッカケにして欲しい。そうでないなら単なる残酷な話でしかない。
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