「自然消滅って、ひさびさ聞いたわ」もらとりあむタマ子 SCARSさんの映画レビュー(感想・評価)
自然消滅って、ひさびさ聞いたわ
「リンダリンダ」や「苦役列車」など撮ってきた山下敦弘監督と前田敦子が「苦役列車」に続き再びタッグを組んだ企画物の映画作品である。
ストーリーは、東京の大学卒業後に就職もせず実家に戻って来たタマ子の日常を描く。
本作は「季節感」を一つのテーマとしているけれど正直自分はあまり季節感を感じなかった。
四季折々でタマ子の髪型をはじめ周辺の人物やアイテム(アイスとかマフラー)が変化するがあの程度ならわざわざ季節にあった時期に撮影する必要はないし「季節感」をテーマにしなくてもいいと思う。(一年であれほど髪型変わるのは少し違和感が・・・)
冒頭の季節変更の写真は動画の方がいいのではと思う。(写真は素晴らしいのでSEをいれるとか)
それに笑わせどころでは自分はさっぱりでした。(おじさん二人くらいがツボにはまっていましたが)
ただ作品としてはひたすらダラダラしたタマ子を描いているが何故か妙に引き込まれる感は否めない(笑)
やはり、前田敦子の女優としてのスキルと山下監督の魅せ方が上手いからだと思う。
それに、ダラダラしたタマ子が父親の愛情を気づかないふりをして一つ一つ周囲の人達との交流により成長していく様も凄くいい。
(自分は父親役の康すおんさんはあまり合ってるようには思えませんでした)
あとは、仁役の伊東君の中学生感や富田靖子さんのオーラはぶっちぎりでしたね。
主題歌は文句なしの100点。
何の変哲もないただの日常を映画することは大変難しく興行収入も見込めないと思うけどこの作品は良かったと思う。
続編とかはないと思うけどもしあったらなんとなく見に行きたくなると思う。
客層は若者・大人半分半分ぐらいでしたがどの層にも、スッと入れる内容ですし前田敦子ファンは勿論、ファンでなくても十分楽しめる作品だと思います。