「四季を通して描かれる父と娘の愛の物語。」もらとりあむタマ子 レントさんの映画レビュー(感想・評価)
四季を通して描かれる父と娘の愛の物語。
たまこは23歳、けして十代の女の子ではない。大学を出たにもかかわらず、就職もせず、実家で毎日ゴロゴロしている。そばで忙しく仕事や家事をする父をしり目に。
彼女にとってはその居心地の良さが自分をダメにしていることが分かっているが、どうしようもないのだ。この居心地の良い沼にずっと浸っていたい。そんな彼女に小言を言う父だが結局は娘可愛さに何も言わない。
この父と娘の関係はいわば共依存の関係。父は娘をそばに置いておきたい。その思いについつい甘えてしまう娘。お互いこのままの状態が居心地がいいのだ。
しかし、父の再婚相手を探る娘を見て、父は家を出るように言う。さすがにこのままではよくないと思った父。
娘にとっても父にとってもこのまま共依存の関係を続ければいずれは共倒れになる。娘は自立ができなくなり、父は年老いていくのみ。
そんな父の気持ちを察した娘は父に合格と言う。
これは何気ない自堕落な娘の日常を描いてるようで、その実、親子の深い愛情物語だと思った。何気ない日常こそがいかに貴重で尊いものか。それは年齢を重ねればわかるもの。本作はそんな年齢を重ねたものにほど刺さる愛の物語。
互いを思い、互いのためを思って別れを告げる親子の物語である。子を持つものなら誰しも経験する巣立ちという名の別れであり旅立ちなのだ。そう、これは「コーダ愛の歌」と同じく旅立ちの物語なのだ。
冒頭から自堕落な生活姿のたまこを演じる前田敦子がとにかく可笑しくて、また父親役の俳優さんもとてもいい味出していた。
特になんの事件が起きなくとも、この二人の生活をずっと眺めていられるほど微笑ましい作品。
コメント、拝読しました。
何でですか?
問題ないレビューを上げられていると思いますが・・。
このサイトの運営方々には、多くの人が削除理由を教えて欲しいとコメントが上がっていますが。
幸い、私は削除された経験がないのですが・・。
出来れば、このサイトと別サイトと掛け持ちしてもらえると有難いですが・・。では。