「クロエを見るためだけの1時間40分。」キック・アス ジャスティス・フォーエバー ハンペン男さんの映画レビュー(感想・評価)
クロエを見るためだけの1時間40分。
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とにかくクロエ・グレース・モレッツに釘付けの1時間40分。なんなんだあの愛嬌は。この役をやるために生まれてきたとはまさにこの事。しかし、逆にクロエが居なければ駄作だったとも言える。まずストーリーだが前作では「ヒエラルキーの中で下級とされる人物がヒーローになる」という部分がアメコミ史の中では斬新で批評的な点となっていた。しかし、その身近で親近感の湧くヒーロー物という根本の面白味が今作では主人公の肉体的、精神的な成長と新たなキャラクター(しかもけっこう強い)の出現で打ち消されてしまった。この変化は今後のシリーズの展開という意味でもあまり有効とは言えない。「正義が悪を作り出している」というテーマもダークナイトの焼き写しで今まであったヒーロー物のカウンターとしてのキックアスがバットマンの真似をしてしまっては駄目だろう。その他にも父親の死が案外あっさりしていたり、親友のトッドが裏切った事も父親が死んだ原因となる重要な部分だったにも関わらず曖昧にしてしまう始末。エンドロールが終わった後のシーンも悪趣味を履き違えたような感じで笑えなかった。今後、本シリーズの興味がクロエ本人とヒットガールの成長でしかなくなってしまったことが残念でならない。
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