「コーヒーにはまだ早い」コーヒーをめぐる冒険 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
コーヒーにはまだ早い
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コーヒー飲みたい!と思うも、タイミングが悪く飲めない。コーヒーが切れていたり、マシンが故障中だったり…。そんなツイてない主人公の一日を描く。
主人公の青年が、おぼっちゃま過ぎて甘ちゃんで、お前にはコーヒーはまだ早い、牛乳でも飲んでろと、最初思った。でも観終わってみると、主人公に対して、コーヒーでも一緒に飲もうかと、そんな気持ちになる。
主人公の周りの人達がとにかく自分のことばかり喋りまくるのに対し、主人公自身がどう思っているのかを語る部分は少ない。だけど何故か主人公の心情が浮かび上がってくる不思議な映画だった。
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ドイツで賞を総なめにした新人監督による本作。
監督本人はトリュフォーを参考にしたと言っていたが…。
その他、初期モノクロのジャームッシュや、カール・カルダナさんの作品、スコセッシ『アフターアワーズ』などの匂いもチョッと漂う。ジャームッシュの本格的な所在なさも、カール・カルダナさんの愚直さも、『アフターアワーズ』の思い切りも、本作には少々足りないが、それら80’Sの作品群が好きな私にとっては中々嬉しい雰囲気だった。
あとベルリンの街並がとても美しかった。
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