「夢は無いけど、今出来る事はある」銀の匙 Silver Spoon 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
夢は無いけど、今出来る事はある
今年5月に公開された「WOOD JOB! 神去なあなあ日常」は珍しい林業ムービーだったが、こちらも珍しい酪農ムービー。
荒川弘のベストセラーコミックの映画化。
数々の賞に輝いた原作は知っていたものの、毎度の事ながら未読。
劇場公開時はさほど興味沸かずレンタルになってからでいいやと思って実際見てみたら、これがなかなかの好編!
主人公の成長、友情…青春映画の王道。
知ってるようで知らない酪農の世界。見る側も主人公目線になり、一緒に酪農世界を知っていく。
ちょっとのエッチと笑いと感動を織り交ぜ、後味良い爽やかな作品に仕上がっている。
酪農世界の厳しさも突き付ける。
情が移った“豚丼”に出荷の時が近付く。“経済動物”と分かってた筈なのに、割り切れない気持ち。
豚の解体シーンは一転してシリアスなドキュメンタリーのよう。
酪農家の借金苦、経済事情…。
酪農経験が無い自分が言っても説得力無いが、酪農はつらいよ。
乳が出ない、卵が産めない…など、落第動物は食肉加工される。
受験レースに敗れ、逃げるようにこの酪農高校に来た主人公・八軒にとってはまるで自分のよう。
しかし、逃げを負けと感じていた八軒が、逃げてきたこの場で、自分に今出来る事を見出していく…。
八軒を演じた中島健人がジャニーズなのは知っていたが(何てグループ名かはイマイチ知らんけど)、オーラを消してへなちょこ青年になりきっている。
ヒロイン、アキ役の広瀬アリスが可愛い。10年前の長澤まさみを思い出した。
市川知宏、黒木華(金持ち農家の高飛車娘!)…若手キャストが伸び伸びと好演。
中村獅童、上島竜平、吹石一恵、哀川翔、竹内力ら個性派がしっかりサポート。
原作未読の者でも展開の早さや大分端折ってるなというのは感じたが、クライマックスのばん馬レースまで心地良く見れた。
若ければ、まだ夢は無いかもしれない。
でも、何か出来る事はある。
青春って、いいね。
見終わって、監督が吉田恵輔である事を思い出した。
この人、意外にも職人!?
今晩は
”監督が吉田恵輔である事を思い出した・・。”
私は今作の原作である漫画は、子供達も好きで、尚且つ非常に素晴らしい内容であったので、全作購入し、家人の”断捨離攻撃”にもめげず、書庫に置いてあります。
そして、この映画を私が鑑賞した一番の理由は、監督が「吉田恵輔」と言う、基本的に今や希少的な存在になりつつある、脚本もすべて自ら書き下ろす貴重な邦画監督の映画だと理由でしたね。
では、又。
近大さん、コメントありがとうございます。
私もこの作品、あまり期待せずにみたのですが
予想外の出来の良さにちょっとした感動が
ありました。
脚本、キャスト、テーマがバランスよく
最後まで飽きずに見れると思います。
広瀬アリスは私も良いと思いましたが
なるほど長澤まさみですか。
共感です。
私は逆にWood Jobみてないので
楽しみではあります。