「大蝦夷農業高校」銀の匙 Silver Spoon odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
大蝦夷農業高校
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舞台は北海道帯広農業高校がモデルという大蝦夷農業高校。
数多ある甘ったるい青春ものとは一線を画す食用動物の飼育というシビアなテーマを扱いながら子供たちが逞しく成長してゆく様を描いた秀作。
都会の若者が観る想定なのか、主人公を通じて得る疑似体験の数々も感慨深い。
食用になることを宿命づけられた鶏や子豚の飼育、役目を終えれば処分されてしまう牛や馬、ややもすれば感情的な安っぽい悲劇の学園ものになっても不思議でないのだが若者たちは悩みながらも現実を受け止める、主人公がヒロインに惹かれるきっかけも広瀬アリスちゃんの胸チラだったり若者の本音が垣間見られる演出も面白い。
「将来の夢は無いけど、それは何にでもなれると言うことかもしれない・・」など淡々としたセリフの中にある重みなど、脚本・監督の吉田恵輔氏の巧みさに脱帽、ナチュラルに描いてこそ通じるものが生まれます。
キャスティングもバラエティ豊か、故・上島竜兵さんが校長先生、ドタバタギャグ以外の一面を観ることが出来、良かったです、改めてご冥福を、お祈りいたします。
ラストのゆずの主題歌も余韻に浸るにはうってつけ、ベタではありますが良くできた青春映画でした。
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