劇場公開日 2016年5月14日

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「夢を見ているかの様」ザ・ストーン・ローゼズ メイド・オブ・ストーン 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0夢を見ているかの様

2021年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2013年10月劇場鑑賞
たった一枚のアルバムでイギリスのミュージックシーンを大きく塗り替えたバンド、ストーンローゼズの解散から復活までを描いたドキュメンタリー作品。
何と映画であるのにかかわらず、東京(TOHOシネマズ渋谷)では初日から最終日までの7日間すべてSold outという現象までおきてました。
ちなみに本国イギリスでのプレミア上映のチケットは、発売から1分以内で完売したそうです。
また8カ所で同時上映されたチケットも全て完売につき、急遽会場を増やしたようですよ。
ライブではなく映画なのに…。
その余波がここ日本にも影響したのでしょうか、ともかく日本での完売を知った私も深くうなだれていました。
しかし、なんと日本でも追加公演が決定したのです!
と、言う事で喜び勇んで行って参りました。
この作品ドキュメンタリーなのですが、監督がバンドのファンである為か通常の「客観性記録」ではなく、かなり「主観性」に重視した作りになっていました。 もっとわかりやすく言うと完全にファン目線です。
でもその構成が良い方向に作用していて、観ていてとてもわくわくします。
スクリーンを通じて多くのファン同士が気持ちを共有しているかのようでした。
この映画を撮る時、再結成ライブはすでに決まっていたのですが、それに先行してフリーライブが急遽発表されます。
そして、まさに歴史の瞬間に立ち会うべく、チケットを求め走って集まってくるファン達。
叔父が亡くなった事にして早退してきた人、作業着を着たまま仕事を抜け出して来た人、それは皆子供のように興奮していて、自分もその場にいるような高揚感があります。
そうして幕を開けた彼らの16年ぶりのライブ。
驚くべきはそのオープニング、1曲目からオーディエンスの大合唱だった事です。
ホール全体がバンドを歓迎しているかのようで、皆が復活を待ち望んでいたのがとても良く伝わってきます。
イアンがジョンがレニがマニが、四人が笑顔でギグしている様はまるで夢を見ているかの様でした。
本当に復活したのですね。
音はもちろんの事、映像もモノとカラーをうまく織り交ぜメリハリがきいてます。
そうして最後、驚く事にエンドロールではフジロックの映像がながれるんですよ!
日本人には嬉しいサプライズでしたね。
全編を通して、バンドに対する愛がいっぱいのこの作品。
ファンはもちろん、オアシス等ブリットポップが好きな人も、ルーツを紐解く意味で観てみるのも面白いと思います。
そして次はジャパンツアーとして彼らに来日してほしいものです。

※この後本当に単独来日公演が決定、しかしレニの怪我による公演中止。
延期でなく中止だったので、この時の絶望感は無かったです。
しかしながら翌年2017年に再度来日公演が発表、無事公演が行われました。
それはまるで夢の中にいるような素晴らしいギグでしたよ。
あれだけ踊ったライブは初めてじゃないでしょうか?
本当に最高でした。

白波