劇場公開日 2013年11月15日

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「見た時点で負け」悪の法則 ZZZさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0見た時点で負け

2013年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

誉められて伸びるタイプの子は見ない方がいいよ、これ説教映画だから。
見た後で「何これ?」と文句つけても、逆に説教で返されるだけだから。そういう作りの映画だから。

よく知りもしない麻薬ビジネスに気軽に手を出した主人公の戸惑いと、マッカーシーの脚本と知らずに豪華キャストの娯楽映画だと勘違いして気軽に見てしまった観客の戸惑いがシンクロしている。

そして他の人も書いているが、観客の不満と映画のテーマが見事に合致。

「つまらない。こんな映画だとは思わなかった」と不満を言っても、「この映画を選択したお前が悪い」とバッサリ返されるだけ。「自分の選択に責任をとれ」と映画の中で懇切丁寧に説教している。

「分かりづらい」と観客が文句をつけても、「世の中は分からないもの。分かった気でいる方が傲慢」が、この映画のテーマ。

「共感出来ない」と喚いても「共感なんて幻想だ」だし、「エログロがすぎる」と怒っても「人間は基本エログロ。それを誤摩化すな」が話の核。

「台詞が長い」とグチっても、主人公は話をちゃんと聞かなかったからエラい目に遭う。大事な言葉は何か、自分で見極めろって事。

どういう感想を持とうと見た時点で観客の負け。
観客の不満に対して、映画の中でちゃんと答えは出ている。それに気がつかないだけ。

僕の不満は、ベットシーンがダサすぎる、音楽がダサすぎる、その他いろいろダサすぎるっていう点。
後で考えるとそのダサさにも意味があった。馬鹿に見せかけてアタマの良すぎる映画。

まあ、テーマを読み解くのが観客の仕事じゃないしね。
妙な殺人ガジェッドやら開脚やらを生温かく見守るくらいのスタンスが僕には合ってるのかも。

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ZZZ