劇場公開日 2013年11月15日

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「不条理過ぎる法則・・・」悪の法則 シュナイダーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0不条理過ぎる法則・・・

2013年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

寝られる

一体いつになったら話が盛り上がるのだろうか・・・。
世間の評価通りやはりこの映画は駄作なのだろうか・・・。
そう思いたくもなってしまうような、とにかく退屈な会話劇を中心とした前半戦でしたが・・・最後まで見終わってみれば、後から後からジワジワ来る感じが、思いのほかツボな作品でした。
まあ確かに手放しで面白かったと言えるような映画では無かったですが、かと言って単純につまらないと切り捨てることも出来ないような、妙に味わい深い映画だったと思いましたよ。

豪華キャストの面々が、皆それぞれイメージと逆のキャラクターを演じていたのも印象深かったですね。
ハリウッド映画のお約束を覆すように彼らが追い込まれていく姿は、新鮮味があってこれはこれで面白かったですよ!
ちょっとした欲を出したが為に、不条理な・・・不条理過ぎる悪の法則に嵌ってしまった御一行様方・・・その容赦無さ過ぎな様子には、思わずブルっと震えました・・・。

まあよくよく考えてみればそんなに深みのあるストーリーでは無かった気もするのですが、それをいかにも深みを感じれるよう作り上げてしまうリドリー・スコット監督は、75歳になった今でも未だ衰え知らずですね。

マイケル・ファスベンダー(カウンセラー)・・・ちょっとした欲を出したばかりに、悪の法則に嵌ってしまった主人公を好演。
身の丈に合ってない派手な生活や、どこか人間的に好感の持てない部分を見てしまえば、その後の展開は自ずと想像できた訳ですが、それにしてもほんのちょっとの欲を出しただけでこんなことに・・・やはり人間真っ当に生きるのが一番ってことなんですねぇ。

ペネロペ・クルス(ローラ)・・・健気に主人公を愛する可愛らしい彼女と言っただけのキャラを演じたことにある意味ビックリ。
主人公は、社会的地位もあって、こんな美しい彼女がいて、他に欲しいものなんてなかろうに・・・人間の欲って本当に怖い。

キャメロン・ディアス(マルキナ)・・・いつものはじけまくったキャラは封印し、今回は何か裏がありそうな妖艶な女豹に成りきっていましたね。
それにしても車とのアレには唖然呆然でした・・・何気にこう言う一癖ある役の方が向いているんですよね、本当は。

ハビエル・バルデム(ライナー)・・・「ノーカントリー」とは真逆過ぎるチャラい風貌・キャラに、ちょっとビックリ。
まあとにかくいい感じで死亡フラグが立っていましたね。

ブラッド・ピット(ウェストリー)・・・あのブラピがこんなキャラを演じるとはこれまたビックリ。
深みがありそうで一番おバカなキャラでしたもんね。
あれだけ偉そうに助言しておいて、まさかの・・・。

ブルーノ・ガンツ(宝石商)・・・何気ない台詞が後々深みのある言葉へと変化。
この映画はそんなシーンが多いので、睡魔に襲われないよう体調の良い時に見ることをおススメします!

ジョン・レグイザモ(チョイ役)・・・本当にチョイ役でしたが、私はこの方が出てくると妙に嬉しくなってしまうのです(笑)

まあそれにしても、人間のちょっとした欲望や変な自信って、本当に怖いものですね。
身の丈にあった生活で、ささやかな幸せを噛み締める、それが一番ってことですな・・・。

シュナイダー