「“原作”と“原案”の違いで大きく残念・・・」風俗行ったら人生変わったwww AKONさんの映画レビュー(感想・評価)
“原作”と“原案”の違いで大きく残念・・・
注目度はそれなりにあるのに、ここではレビュー数が少ないのは作品タイトルのせいでしょうか?自分が同感できるレビューがなく、初めてレビューを書いてみたいと思います。
この作品は、実際に元のスレッド(小説版)やマンガ版で読んだ方と読まずに観た方での印象度が相当違う様で、私は読んでから観ました。
小説版、マンガ版とこの映画が大きく違うのは、前者が原作なのに対して、映画は「原案」だった事。スタッフロールで初めてその事に気づきました。
「電車男」同様に、物語を進めていく為のアクセントとしてのネット住民等が追加され出てくるのだろうなと、ある程度の改編があるのだろうと思っていましたが、その内容は唖然とする程変わっています。
原作?(元のスレッド)は、過去の振り返りとして書かれた話でしたが、この映画版では進行形の話でネット住民の助けを借りながら進むという点から違和感がありました。話の進行は、かよの借金が解る所までがかろうじて原作通り。
(小説版は全4章中の2章途中。マンガ版は上巻の途中まで)
その後の展開はまったく別の話となり、自分には急速に退屈な作品となりました。
原作では借金の発覚後、遼太郎が唯一頼りにできるリアルな知り合いとして晋作がようやく登場。ここから、交渉術ひとつで借金取りを追い込んでいく展開がこの作品に一番興味を持った所でした。そこがバッサリと改変されていたため、中盤以降のコメディはまったく笑えなかった。
映画スタッフはコメディの方が一般受けがいいとの考えなのだろうが、自分はシリアスな展開を期待していただけにここが最上級の残念な所です。
この中盤以降の改変に飲み込まれ、原作の後半で語られる「遼太郎がなぜ風俗に行こうとしたか」という事も描かれなかった。これなら「メイドカフェ行ったら~」でも「初めて女の子と話したら」だけでも物語は成立しそうだし、無駄に風俗を誇張する事はなかったのに。
原作では後半こそが真の「風俗行ったら~」とされているので、原作の入口だけ借りた状態、入ったら中身違ったという印象です。
普通に就職している場面も描かれている遼太郎が、証明写真さえまともに撮れない病的な冒頭の場面も誇張しすぎで、痛々しいだけで気持ち良くはなかった。徹底的にダメさを誇張する演出として、印象付けたかったのだろうが、極端すぎ。
押しに弱い女性「かよ」が原因で起こる後半の展開が割愛された事で、遼太郎が初めて会った場面からそんな素振りもなく、かよが一方的にリードするのもシーンの展開上で都合良くし解釈しているなと感じた点です。
マンガ版では原作にない就職先での風景で、うまく成長の度合を描いていたし、本オビのコラボでこの展開同様に映像化されるだろうと期待させていたので、それも動員を狙った戦略だったらガッカリです。
映画オリジナルの後半は、違う作品と理解した上でもう一度見たら楽しめるのかもしれないけど、もう一度見る機会あるかな?ってのが、今の心境です。
できたら、再度原作に沿った展開で映像化をしてほしいですね。