天国の門 デジタル修復完全版のレビュー・感想・評価
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最後の大作
初見のときは「凄いもの」観てしまった気分だった。それは悲惨な物語と素晴らしい映像だと思っていたが。今回見直すと若干違っていることに気がついた。
もちろん、物語りと映像の印象は変わってはいない。気がついたのは演出の部分、観客の気持ちの良い魅せ方の要素でであるロマチシズム、ヒロイズム、センチメンタリズムを意図的に廃しているのに気がついた。前作の『ディアハンター』はセンチメンタリズムで終わっているのに対して、この作品は観ている者の溜飲を下げないで終わらせている。もしかしたらこれが「凄いもの」正体だったのかもしれない。そして、さらに、もしかしたら当時の酷評も(予算をかけたわりには)ここが原因だったのかもしれない。
ともあれ、この作品を期に山師的な大作は減ってゆきマーケティングとリスク管理が重視される大予算映画が増えていった状況をまさしく見てきた自分にとってあの時に観たこれは「最後の大作だったんだ」と感慨するしかない。
映画史上最大の失敗作
撮影期間の長期化
予算オーバー
いざ公開してみたら興行不振に陥り
ついには映画製作会社を破綻させた
この“映画史上最大の失敗作”が
デジタル修復完全版として
スクリーンに蘇った
…圧倒されたよ
もう一回
お金を払って観たいよ
すべてのシーンが
まるで絵画のような美しさに満ち溢れている
構図、色彩、光の射し方、陰影の濃淡
上映時間3時間36分
まったく気にならなかった
これこそが映画だよ
一足先に…
輸入版Blu-rayを購入、鑑賞済みです。
ヴィルモス・ジグモンドのミレーの様な画が見事に再現されています!!
これで此までの『あの』ズタズタ、傷だらけの画像ともオサラバです♪♪♪
いや!めでたい!
映画も決して『過去の』作品ではありません!
時に黒澤明、時にD・W・グリフィスを引用しつつ、圧倒的な叙情詩…そして痛み…。
今後、この作品の評価はますます高まるでしょう。
ま、『ジョルソン郡戦争』なんてなかったンだけどね。
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