「お前達のやった事は一つ残らず宇宙の果てまで全部お見通しだ!!」トリック劇場版 ラストステージ SCARSさんの映画レビュー(感想・評価)
お前達のやった事は一つ残らず宇宙の果てまで全部お見通しだ!!
本作はテレビ朝日系列の連続テレビシリーズ「トリック」の劇場版第三弾でありテレビシリーズから数えて14年の集大成の作品であり、完結となる。
内容は海外の秘境にあるレアアースを採掘しようと村上商事が採掘権を獲得したがその地域には部族が居てなかなか立ち退かない。そんな中、彼らの信奉している呪術師を上田次郎(阿部寛)に不思議な力を見破って欲しいと加賀美慎一(東山紀之)から頼まれてその語、山田奈緒子(仲間由紀恵)と共にその呪術師と対決する・・・
自分はトリックをテレビシリーズ第一作からリアルタイムで見ていましたし(当時は若かったので少し怖かった印象があります(笑))全シリーズ見ている大ファンです。
なので、山田奈緒子と上田次郎のこの二人がまた地上波(新作スペシャル)と劇場で見れるだけで正直★5つです!!(笑)
なので、本作に限っては多少のバイアスがかかっていてレビューの参考にはならないと思います。
まず本作はトリックお決まりのプロットであり、超能力を持つと言われている者に対してなんらかの問題を抱えている人が上田に相談を持ち込みそれを山田と共に解決する内容となる。
またこのパターンという人がいるかもしれないがこれがトリックであり、山田と上田の二人の時にはふざけ時には真剣に(インチキ)超能力者という壁に立ち向かっていく様を描いている((インチキ)霊能力者全てを善と悪では区別してませんが・・・何故なら人によってはその(インチキ)霊能力者がその人の支えになっているなどのため)
良かった点というかグッときた点ですが、一番はやはり最後ですね。
一話の封筒手品を過去の映像と共に再現されますが、上田が「本物か?(山田奈緒子か)」の問いに山田が「本物です(霊能力者)」と記憶を失っているため答えます。このリンクがああ、トリックはこれで本当に最後なんだと感慨深くなりましたし、記憶を失ってもこの二人の繋がりは何か超能力をも超越した深い絆でつながっているんだと思いました(勝手にな解釈です(笑))
また、上田(阿部寛)の山田を見て驚きつつ泣きそうなあの顔・・・
あと、洞窟での山田が村の人々が助かる方法があると上田に話しているときのあの切ない表情にはやられました。
他としては本作は原点回帰という通り、上田が的外れな推理知識を言うのではなくちゃんと科学的に考察しそれをヒントに問題が解決していく点などが良かったり、また母之泉のビッグマザー(菅井きん)があちらこちらで崇拝されていたりして(実は生き延びていて)、石原(前原一輝)の登場などトリックシリーズを最初から見ていた人にとっては、にやけてしまう小ネタ満載で良かったです。
悪かった点としては、呪術師が銃で撃たれたのに対して血が少なく長い間山田と会話などができたことですね。これは、フィクション映画として考えたとしても不自然感が否めないですね(呪術師の薬の知識でそうなったとしても少し厳しかと)
また、現地の部族を谷岡や川島、有田が殺してそれが問題にならないとかも少し微妙かと・・・
なんにせよ、本作はトリックが完結するにふさわしい出来の作品であり正直さびしいですね。
自分の観に行ったところではパンフレットが売り切れていて買えなかったのでもう一度観に行って買おうかと思います。(パンフレット見たらまたレビューが変わるかもしれませんが(笑))
堤監督の存在はこのドラマによって知りましたが最後は自分的には上手い終わらせ方だと思います。
間違ってもキャストを一新して新作は作らないで欲しいです。
最後にトリックが好きな方は是非映画館で観るべきです!!!!!