「幻想は救い」リアリティのダンス Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
幻想は救い
子どもは、自分が両親を満足させる対象でありたいと望みながら、アイデンティティーを形成しようとする。
誰もが、そんな子どもの自分を抱きしめたくなる。
両親にとって自分がどのような対象であるのか分からないまま成長し、ふと気づく。
その答えは、幻想の中にあると。
自分が作る幻想の中でこそ、他人の願望だけでなく、自分の願望も、はっきりと浮き彫りになる。両方を一度に抱きしめればいい。
抑圧的な父が「英雄」で、母が「奇跡の女」であったことは、おそらく幻想だろう。
父を、愛情を込めて許したいという願望が成就し、小さいホドロフスキーは、幻想の世界で救われる。
すると、リアルな世界が、優しく彼に寄り添ってくるのを感じた。
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