「素顔と暴力。」罪の手ざわり ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
素顔と暴力。
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鬼才ジャ・ジャンクー監督が2013年カンヌで脚本賞を受賞した作品。
急激に変化する中国現代社会で、実際に起きた事件から着想を得て
描いた4話のオムニバス形式。武侠映画の要素を採り入れた暴力描写
が血生臭いので好き嫌いは分かれそう。冒頭オフィス北野の文字が
出てきて「あー」と思い、観始めて「やっぱり~」と思うこと請け合い。
拡大する貧富格差が背景にある4つの事件だが、無音・無言・無表情の
人間が突然暴徒化する怒りの根源が非常に静かに語られる部分など
よく似ている。分かり辛い展開ではないが入り辛い心情もあり得る。
やるせない怒りを武器に豹変するヒロインの変わりっぷりも見事だが、
私的には最終エピソードの主人公が恋をする女子の化粧映えというか、
素顔とのギャップがあり過ぎて誰か分からないほどだったのに驚いた。
(冒頭で男が強盗を銃で逆襲する場面が鮮烈。その後素性が明かされる)
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